武田薬品 国内生産の新型インフルワクチンを承認申請 半年で2500万人分供給へ
公開日時 2013/03/28 04:00
武田薬品は3月27日、同社光工場(山口県光市)で細胞培養技術を用いて製造した新型インフルエンザワクチン(H5N1インフルエンザワクチン、プロトタイプワクチン)について、同日付で承認申請したと発表した。今回の申請に先立ち、武田薬品は米国バクスターと共同で、バクスターが欧州の工場で製造した新型インフルワクチンについて2012年9月に承認申請している。今回の光工場製品の申請は、欧州製品と同等のものを、日本国内で6か月以内に2500万人分を生産・供給することを目的にしたもの。
武田薬品は新型インフルワクチンの国内の開発・生産体制の整備に向けて、10年12月にバクスターとの間で、同社の細胞培養技術を用いた新型インフルワクチンの製造技術を日本で独占的に使用するライセンス契約を締結。光工場で生産施設の整備を進めるとともに、バクスターと共同で新型インフルワクチンを開発してきた。そして、光工場製品が欧州製品と同等であることがこのほど確認され、今回の申請に至った。
武田薬品は、全国民分の新型インフルワクチンを半年間で供給するための国内生産拠点を整備する政府の「新型インフルエンザ開発・生産体制整備臨時特例交付金」交付事業に採択された1社。武田薬品は、「政府助成のもとに取り組んでいる国内における新型インフルエンザワクチンの開発・生産体制の整備は、当社としての社会的使命と考えており、同ワクチンの2013年度中の承認取得を目指して引き続き当局と連携していく」とコメントしている。
なお、プロトタイプワクチンは、H5N1以外のインフルエンザウイルスが流行した場合に、迅速に対応するために開発するワクチンのこと。