FDA BotoxのOAB適応追加を承認
公開日時 2013/01/25 04:00
米食品医薬品局(FDA)は1月18日、筋弛緩薬Botox(A型ボツリヌス毒素)について、過活動膀胱(OAB)治療薬としての適応追加を承認した。同剤の適応追加は、抗コリン薬に忍容性がないか、効果が不十分なOAB患者。
Botoxは、膀胱に筋肉注射することにより、膀胱の緊張を緩和させることで蓄尿能力を増加させ、尿失禁エピソードの回数の減少を目指す。膀胱検査鏡を使用し、医師が膀胱内を目視下において、膀胱に注射する。FDA医薬品評価研究センター(CDER)のHylton V Joffe生殖・泌尿器製品部長は、「Botoxは臨床試験で尿失禁エピソードの頻度を有意に減少させた」と報告したうえで、「本日の同剤の承認によって、全米で男女合わせて3300万人に及ぶとされるOAB患者にとっての治療選択肢が追加された」と評価した。
Botoxの安全性と有効性は、OAB患者1105例を対象とした2本の臨床試験で検証された。患者は同剤100単位(5単位X 20回)投与群とプラセボ投与群とに割り付けられた。投与12週後の結果では、Botox投与群は尿失禁エピソードが平均1日1.6回から1.9回でプラセボ投与群に比べ少なかった。また、排尿回数は、Botox投与群では、プラセボ投与群に比べ平均1回から1.7回少なかった。さらに、尿量は、同剤投与群では、プラセボ投与群に比べ、平均30ml多かった。
同剤の主な副作用は、尿路感染、痛みを伴う排尿、尿貯留など。尿貯留を発症した患者は、尿貯留が改善されるまでカテーテルを使用する治療を行う必要がある。FDAは、Botoxで受療しているOAB 患者は、尿路感染症の罹患を回避しなければならないので、感染の機会を減ずるようにBotoxの治療前、治療中あるいは治療後2-3日子抗生物質を服用すべきであることを呼びかけている。
Botoxは、米Allergan社(カリフォルニア州アーバイン)が製造する。