サノフィ 基礎インスリン製剤ランタス 最適用量を計算する電卓を開発、無償提供
公開日時 2012/09/28 04:01
サノフィ・アベンティスはこのほど、経口血糖降下薬で効果不十分な患者が基礎インスリン製剤ランタス(一般名:インスリングラルギン(遺伝子組換え))を併用する際に使用する「ランタス用量設定サポート機能付電卓」を開発し、全国の医療機関に9月から無償提供を始めた。提供数は1万個。▽患者の体重▽現在のHbA1c値▽目標とするHbA1c値――の3つの数値を入力すると、ランタス導入時の投与単位数や導入後に追加する投与単位数、24週後に必要となる投与単位数が表示される。
日本人2型糖尿病患者5223症例を対象に実施した特定使用成績調査「ALOHAスタディ」のサブ解析結果を基に、経口血糖降下薬との併用時のランタスの最適用量が症例ごとに導ける計算式を開発し、電卓にこの計算式を入れた。監修は東京大学大学院内科学専攻の門脇孝教授。これまでにこういった計算式はなく、実臨床では専門医による経験で症例ごとに用量を決めていた。
この電卓は本来の計算機の機能に加え、BMI、Homa-IR、Homa-βを計算できる。
日本の糖尿病患者数は2011年に1067万人を超え、世界で6番目に多い患者数という。経口血糖降下薬で血糖コントロールが不十分な場合に早期から基礎インスリン製剤を追加併用するBOTが急速に普及している。しかし、BOTによる治療を行っても血糖値のコントロールが不十分な患者が目標を達成して良好な血糖値を維持するためには、定期的に血糖値を確認し、適切にインスリンの用量を調節する必要がある。