米BMS アバプロ、プラビックスの特許切れの影響食い止めでEliquisの承認に尽力
公開日時 2012/07/27 04:00
米BMSは、降圧薬・ARBのアバプロ(一般名:イルベサルタン)、抗血小板薬・プラビックス(クロピドグレル)の特許切れの影響を最小限に食い止めるためにも、第Ⅹa因子阻害薬・Eliquis(アピキサバン)の審査完了報告通知(complete response letter)への早急な対応を行う構えだ。早ければ、9月にも審査完了報告通知への回答が完了するとの見通しを示した。
2012年に特許が切れるのはアバプロとプラビックスの2剤。第一四半期の売上は、この2剤の特許切れが響き、アバプロは、前年比53%減の1億1700万ドル。プラビックスは、前年比60%減の7億4100万ドル。5月12日に、テバファーマスーティカル・インダストリーズ・リミテッドとマイラン製薬が後発品市場に参入し、低価格市場での価格競争が起きた影響が大きいとみられている。
米国での第一四半期の売上高は、全製品の売上高は18%(約10億ドル)減の44億4300万ドル。第二四半期も27%の減少が見込まれるという。
一方で、全世界では、BMSの売上は前年比8%の伸びをみせている。成長ドライバーとなっているのが、糖尿病治療薬・DPP-4阻害薬のOnglyza(サクサグリプチン;52%増、1億7200万ドル)、B型肝炎治療薬のバラクルード(エンテカビル;22%増、3億5700万ドル)、リウマチ治療薬、若年性特発性関節炎治療薬のオレンシア(アバタセプト;27%増、2億9000万ドル)、白血病治療薬のスプリセル(ダサチニブ;26%増、2億4400万ドル)、メラノーマ治療薬・Yervoy(イピリムマブ;71%増、1億6200万ドル)。
同社のLamberto Anderotti氏は、HIV治療薬のサスティバ(エファビレンツ)が2013年、エビリファイ(アリピプラゾール)が2015年に特許が切れることから、今後さらなる準備が必要であることを指摘。大型製品が特許切れする中にあって、全製品の売上高で堅調な伸びをみせた理由として、多くの地域で、広い治療領域をカバーした革新的で、多様な製品群のポートフォリオを持っていることが大きいと指摘した。
Chief Scientific OfficerのElliotto Sigal氏は、今後のポートフォリオの中で、英アストラゼネカと共同開発を進める、2型糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬のダパグリフロジンの米国での承認に加え、ファイザーと共同開発を進める、Eliquisの重要性を指摘。「FDAの質問は、主要評価項目、keyとなる二次評価項目や、データベースの妥当性と関連したものではないことを強調してきおきたい」と述べた。さらに、追加試験の実施を求められていないことも強調した。
Sigal氏はその上で、審査完了報告通知について、早ければ9月に提出でき、その後のFDAの審査も最長の6カ月を要さないとの見通しを示している。