ファイザー 肺がん治療薬ザーコリ 無増悪生存期間(PFS)を有意に延長
公開日時 2012/06/26 04:00
ファイザーは6月21日、肺がん治療薬ザーコリのフェーズ3試験で良好な結果が得られたと発表した。前治療歴のあるALK融合遺伝子陽性進行非小細胞肺がん患者において、標準化学療法よりも無増悪生存期間(PFS)を延長させたことを初めて示した結果。
ザーコリは国内で今年5月下旬にALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの治療薬で発売されている。ALK融合遺伝子の有無をコンパニオン診断薬で調べたうえで、適応となる患者を選定し投与する。
ファイザーが今回発表した試験「PROFILE1007」は、前治療歴のあるALK融合遺伝子陽性進行NSCLC患者を対象に、ペメトレキセドまたはドセタキセルと有効性や安全性を比較した無作為化フェーズ3試験の結果。安全性に関しては、ザーコリ投与群および化学療法投与群で認められた有害事象は、これまでの試験で認められたものと同様だったとしている。
症例数や改善された期間など、具体的な数値を含む詳細な試験結果は、今後関連学会で発表する予定という。
ザーコリについては、米FDAで迅速承認を受けたが、取得した適応は奏効率にもとづくもの。患者報告アウトカムの改善や生存期間の延長を示すデータはいまのところない。