大日本住友 ARBイルベサルタンとCa拮抗薬アムロジピンの配合剤で塩野義と並行販売契約
公開日時 2012/06/06 04:02
大日本住友製薬と塩野義製薬は6月5日、大日本住友が承認申請中の降圧剤イルベサルタンとCa拮抗剤アムロジンの配合剤「DSP-8153」について、国内の並行販売に関する契約を締結したと発表した。配合剤はイルベサルタン100mg/アムロジピン5mg、イルベサルタン100mg/アムロジピン10mgの2種類で、承認されればアムロジピン10mgを含む国内初の配合剤となる。年内の承認が期待されており、発売後は1ブランド2チャネルで情報提供活動を展開する予定。
ARBをベースにした配合剤は急速に伸長しており、2011年の売上規模はARB単剤が約4800億円だったのに対し、ARBと利尿剤の配合剤は約680億円、ARBとCa拮抗剤の配合剤が約630億円。
配合剤の製品別売上(IMSジャパン)をみると、ユニシア(ブロプレスとCa拮抗剤の合剤、武田薬品)が165億円、エカード(ブロプレスと利尿剤の合剤、武田薬品)が145億円、エックスフォージ(ディオバンとCa拮抗剤の合剤、ノバルティスファーマ)が138億円、レザルタス(オルメテックとCa拮抗剤の合剤、第一三共)が126億円(数値は全て薬価ベース)など。
イルベサルタンは大日本住友がアバプロ、塩野義製薬がイルベタンの製品名で2ブランド2チャネルで販売しており、両社とも重点製品のひとつに位置付ける薬剤。アバプロの売上は107億円(11年度、決算ベース)、14年度の売上予想150億円、イルベタンは89億円(11年度、決算ベース)、12年度は100億円を見込んでいる。両社によると、DSP-8153の発売後の売上などの数値目標については「開示していない」としている。
DSP-8153の特徴について大日本住友は、「腎保護作用のエビデンスを有するイルベサルタンと、脳・心保護作用の豊富なエビデンスを有するアムロジピンベシル酸塩との配合剤」とコメント。国内臨床試験からイルベサルタンもしくはアムロジピンの単独投与で十分な降圧効果が得られない患者に対して、良好な降圧効果が認められたとしている。
(訂正)下線部の規格の記載に誤りがありました。訂正しました。(6月6日 16:00)