新薬27品目承認 第一三共のデノスマブ バイエルのファクターXa阻害剤など
公開日時 2012/01/19 04:02
厚生労働省は1月18日、新薬27品目を承認した。この中には第一三共の「多発性骨髄腫による骨病変及び固形がん骨転移による骨病変」の治療薬ランマーク皮下注(一般名:デノスマブ遺伝子組換え)や、バイエル薬品のファクターXa阻害剤(抗凝固剤)イグザレルト錠(リバーロキサパン)などがある。薬価収載が必要な製品は、順調にいけば4月に収載され、公的保険で使えるようになる。
承認品目は次のとおり。
▽エムラクリーム(成分名:リドカイン/プロピトカイン、会社名:佐藤製薬):「皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品及び新医療用配合剤。再審査期間8年。
▽ルネスタ錠1mg、同2mg、同3mg(エスゾピクロン、エーザイ):「不眠症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
非ベンゾジアゼピン系に属するGABAA受容体作動薬で、国内外の臨床試験では、不眠症の主症状である入眠障害と中途覚醒のいずれにも有効であることが示された。臨床的に問題となる依存性や持ち越し効果などは認められず、長期投与による耐性を示さないという特徴も持つ。ラセミ体であるゾピクロンを光学分割して得られたS体。
▽レグナイト錠300mg(成分名:ガバペンチンエナカルビル、会社名:アステラス製薬):「中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
▽アイファガン点眼液0.1%(ブリモニジン酒石酸塩。千寿製薬):「他の緑内障治療薬が効果不十分、使用できない場合の緑内障、高眼圧症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。
▽アジルバ錠20mg、同40mg(アジルサルタン、武田薬品):「高血圧症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
ARBだが、治験では現在販売中のARBブロプレス(カンデサルタンシ)と直接比較し、統計学的に有意な降圧効果を示している。
▽イグザレルト錠10mg、同15mg(リバーロキサバン、バイエル薬品):「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬。再審査期間8年。
経口の直接作用型ファクターXa阻害剤。
▽ロタテック内用液(5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン、MSD):「ロタウイルスによる胃腸炎の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
ロタウイルス胃腸炎予防ワクチンは、11月に発売されたグラクソ・スミスクラインのロタリックスに続くもの。
▽サムチレール内用懸濁液15%(アトバコン、グラクソ・スミスクライン):適応菌種=ニューモシスチス・イロベチー。適応症=ニューモシスチス肺炎、同肺炎の発症抑制。新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
HIV感染患者への投与を念頭に置いた薬剤。
▽ランマーク皮下注120mg(一般名:デノスマブ、会社名:第一三共):「多発性骨髄腫による骨病変及び固形がん骨転移による骨病変」を効能効果とする新規有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
同剤は、完全ヒト型モノクロナール抗体。骨の破壊に関与する細胞の形成に関与するRANKリガントに特異的に結合することで、その働きを抑えて効果を発揮する。
▽カンサイダス点滴静注用50mg、同70mg(カスポファンギン酢酸塩、MSD):「真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症、カンジダ属またはアスペルギルス属による真菌感染症(食道カンジダ、侵襲性カンジダ症、アスペルギルスカンジダ症)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。
▽ボナロン点滴静注バッグ900μg(アレンドロン酸ナトリウム水和物、帝人ファーマ):「骨粗鬆症」を効能・効果とする新用量・剤型追加に係る医薬品。再審査期間4年。4週1回投与。
▽オキファスト注10mg、同50mg(オキシコドン塩酸塩水和物、塩野義製薬):「中等度から疼痛を伴う各種がんにおける鎮痛」を効能・効果とする新投与経路医薬品。再審査期間6年。
▽エビリファイ錠3mg、同錠6mg、同錠12mg、同散1%、同内服液0.1%、同OD錠3mg、同OD錠6mg、同OD錠12mg、同OD錠24mg(アリピプラゾール、大塚製薬):「双極性障害における躁症状の改善」の効能・効果を追加する新効能・新用量・新剤形(OD錠)追加に係る医薬品。再審査期間は残余期間(平成28年1月22日まで)。