FDA リンパ芽球性白血病薬Erwinaseを承認
公開日時 2011/11/25 04:00
米食品医薬品局(FDA)は11月18日、大腸菌由来のアスパラギナーゼおよびペグアスパラギナーゼによる化学療法を受け過敏症となったリンパ芽球性白血病(ALL)患者に対する新規薬剤Erwinaze(aspraginaze Erwinia chrisanthemi)を承認した。
Erwinazeは週3回筋肉に直接注射される。同剤は、すべての細胞に必須の血中に存在するタンパクを合成するアミノ酸のひとつのアスパラギンを分解することによって、アスパラギンを必要とする白血病細胞の成長を阻害する。ヒトの正常細胞は生合成を通して必要なアスパラギンを産生するために、Erwinaseによる治療の影響は受けない。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRichard Pazdur血液・主要製品部長は、「Erwinazeの承認は、アンメットメディカルニーズを必要とする限られた患者の疾患の治療薬について承認を推進するFDAの姿勢を示したもの」と評価している。同剤は希少疾病薬の指定を受けている。米国では希少疾患の患者数は20万人以下。
同剤の安全性・有効性の評価は58例を対象とした臨床試験で検証された。さらに、追加データは、Erwinase Master Treatment Protocolという患者アクセス拡大プログラムにおいて843例から収集された。主要評価項目は、白血病症状のコントロールと生存率の改善に関連するアスパラギナーゼの活動レベルを維持した患者の割合。
既存のアスパラギン特異的酵素製品では、Elspar(アスパラギナーゼ注)とOncasper(ペグアスパラギナーゼ)がある。Erwinazeは、EUSA Pharma(ペンシルバニア州ラングホーン)の製造。