TPP参加の是非 医師の4割態度保留 「情報が少なすぎ」などが理由 メドピア調査
公開日時 2011/11/07 04:01
TPP交渉への参加の是非をめぐり与党内でも割れ、日本政府の態度表明の期限が今週中に迫る中、医師はTPP参加をどう見ているかを調査した結果がこのほど、医師限定コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアから発表された。その結果、医師の4割は「わからない」と態度を保留し、その理由のほとんどが「情報が少なすぎて判断できない」「臨床の現場にどう影響するのか、よく分からない」だった。
調査はMedPeer会員を対象に10月26日~11月1日まで行われ、2365件の回答があった。態度保留の4割以外では、賛成(やむを得ず賛成含む)33%、反対(やや反対含む)26%と、賛否は割れた。
賛成の内訳は、積極的賛成16%、やむを得ず賛成17%。それぞれの主な意見は次のとおり。
積極的賛成:「わが国医療の現状は皆保険制度により平等との理由から混合診療制限などが行われてり、海外先進諸国に比較し著く遅れてしまった分野が存在するのは紛れも無い事実である。わが国医療レベルは十分な際競争力を持ちうるものであると確信しているし、諸外国との競争の中で新しい医療技術を発信できるような体制になることを期待しているからである」(40代脳神経外科)
「後から参加では、日本抜きで決められた仕組みの中に入らなければならなくなり、日本にとって不利になると思います」(50代神経内科医)といった意見が見られる。
やむを得ず賛成:「基本反対ですが、開放政策をしないと日本自体がガラパゴス化していくと思います」(40代一般内科医)
「参加しないという選択肢はないと思う。早期に議論に参加して、できる限り、日本の医療の良さを残せるようにすべきと思う」(60代一般内科医)
反対の内訳は、大いに反対15%、やや反対11%。それぞれの主な意見は次のとおり。
大いに反対:「アメリカの都合の四位うに変えられてしまう可能性大」(50代消化器外科)
「医療制度は各地域で異なっており、特に日本の医療体制を根本的に修正しなければならないのでは大変な混乱が生じ、直接命に関わるぬ分野では慎重な対応が必要だからである」(50代脳神経外科)
やや反対:「議論が尽くされていない」(60代一般内科)
「儲かる医療だけ発達して、重症者受け入れや救急や、低所得者をきちんと見てくれる病院が少なくなり、そういう病院が赤字でつぶれてしまうのではないか」(30代血液内科)