プラザキサ 市販直後調査・期間終了後報告 死亡例は23例
公開日時 2011/10/21 04:02
日本ベーリンガーインゲルハイムは、直接トロンビン阻害剤・プラザキサカプセル(一般名:ダビガトランエテキシラート)の市販直後調査の期間終了を受け、結果をまとめ、発売から6カ月間で、死亡例が23例、重篤な出血性の副作用が138例報告されたと発表した。調査期間は、3月14日~9月13日までの6カ月間。集計された副作用は、1492例2357件にのぼった。
死亡症例23例の内訳をみると、重篤な出血性副作用は14例(消化管:9例、頭蓋内:3例)だった。このうち、投与禁忌とされる“高度な腎障害患者”は7例含まれていたほか、慎重な投与が求められる70歳以上の高齢者は13例、75歳以上は12例、80歳以上は10例含まれていた。また、併用注意の薬剤を併用しているケースが9例(アスピリン:6例 など)だった。
重篤な出血事象として報告された138症例の主な出血部位は消化管83例(60.1%、死亡:9例)、頭蓋内30例(21.7%、死亡:3例)だった。
重篤な出血事象が報告された患者のうち、危険因子(機能の障害、高齢者、消化管出血の既往、消化管潰瘍の既往、併用注意の薬剤の併用)がある患者は、122例と大半を占めていた。
中でも、腎障害については、57例(41.3%)に腎障害がみられ、投与禁忌とされる高度な腎障害患者への投与も19例含まれていた。
消化管出血の既往は6例(4.3%)で、投与禁忌症例(下血、消化管出血、便潜血陽性、各1例)が3例含まれていた。
併用注意とされている薬剤が併用されていたケースは、56例(40.6%)で、アスピリンが24例(17.4%)、ベラパミル塩酸塩が19例(13.8%)、ワルファリンが6例(4.3%)だった。
同社は、投与前に出血傾向がないことや腎機能について確認すること、アスピリンなどの血小板凝集抑制剤との併用について慎重に判断することなどを求めている。
なお、同社は今後も自発的に同様の調査を継続する考え。必要と考えられる期間継続するといい、これを通じ、安全性情報の収集、分析を重ね、適正使用に向けた情報提供、情報収集を行うとしている。
【訂 正】記事中の下線部の数字に誤りがありました。訂正します。現在掲載中の記事は修正済みです。(21日午前10時30分 ミクス編集部)