FDA ボトックスの尿失禁の適応を承認
公開日時 2011/08/26 04:00
米食品医薬品局(FDA)は8月25日、米アラガンのボトックス(A型ボツリヌス毒素)について、脊髄損傷や多発性硬化症(MS)などの神経学的疾患に起因する過活動膀胱(OAB)のある患者に対する尿失禁の適応を承認した。
同剤は注射剤で、膀胱に注射することで、膀胱の過緊張を緩和、蓄尿能力を向上させ尿失禁エピソードを減少させる。ボトックスの注射は膀胱鏡検査法により、医師が膀胱内を見ながら行う。膀胱鏡検査は全身麻酔を必要とする。同剤の効果は、神経学的疾患を持ったOABの患者で9か月持続するという。
同剤の有効性は691人を登録した2件の臨床試験で検証され、脊髄損傷あるいはMSが原因でOABを罹患した患者では、ボトックス投与群ではプラセボ投与群に比べ、1週当たりの尿失禁エピソードが統計的有意に減少を示した。同剤の主な副作用は尿路感染症、尿閉など。
FDAのGeorge Benson生殖医療・泌尿器科製品副部長は、神経学的疾患が関与する尿失禁は管理が困難と指摘したうえで、「ボトックスがこのような疾患の患者に新たなオプションを提供する」と同剤の承認を歓迎した。