原則1日1回のCa拮抗薬 朝夕分割処方 医師の48%で経験あり メドピア調査
公開日時 2011/08/03 04:01
医師限定コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアはこのほど、原則1日1回投与のカルシウム拮抗薬の分割投与の調査結果をまとめた。それによると、「1日1回処方のまま増量する」と、「保険審査に関わらず分割処方に変更したことがある」との回答が、それぞれ40%超で拮抗した。分割処方した医師の多くは、保険で査定されていないものの、「査定が厳しくなったので1回処方にした」との意見もあった。なお、MedPeer会員医師は約3万6000人。
調査は4月25日~5月1日に実施した。有効回答数は1387件。同調査は、会員医師がほかの会員医師に日常診療などにおける素朴な疑問を聞くもの。今回は、「原則1日1回投与のカルシウム拮抗薬でも朝夕に内服する方が一日中効果が持続する印象がある」との印象を持った医師が、1日2回の分割処方に変更した経験があるかどうかなどを会員医師に質問した。
その結果、「1日1回処方のまま増量する」との回答が46.1%と最も多かった。自由意見では、「1回で処方して、審査対象になることはないようにしている」(40代、腫瘍内科)など、認可された用法・用量で処方するケースが多かった。「最初から分割処方した患者はなく、別の降圧剤を追加することが多い」(50代、消化器内科)、「分割処方は服薬コンプライアンスが下がる」といった意見もあった。
一方、「保険審査に関わらず分割処方に変更したことがある」が40.7%、「保険審査の対象にならないことを確認したのち、分割処方に変更したことがある」が7.4%で、「分割処方に変更したことがある」との回答は合計48.1%となった。この分割処方した経験のある医師からは、「朝増量より、夕食後投与を追加したほうが起床時血圧を下げる印象がある」(40代、一般内科)、「内服後の血圧推移をみると、内服後半日以内の降圧効果が高いように思う」(50代、一般内科)など分割処方のメリットをあげる声が多く寄せられた。また、「透析患者の場合、朝夕の方が、血圧が下がり過ぎない」(腎臓内科・透析)など、疾病特性に合わせているとの意見もあった。
査定については、「分割のほうがよいと思うが、4月から審査が厳しくなりそうなので増量しかないかと思っている」(50代、一般内科)、「保険ではねられると困るので、そこを確認し、症状詳記や加筆することで投与回数を変えたりしている」(40代、一般内科)など、査定に注意を払っていることが浮かび上がった。