糖尿病網膜症
公開日時 2011/05/30 00:00
治療目標は視力の“維持”から“回復”へVEGF阻害薬に高まる期待糖尿病の治療環境の向上とともに早期介入が可能になってきた糖尿病網膜症。かつては中途失明要因の第1位だったが、近年は改善の兆しも見えつつある。こうした治療改善の影にあるのが血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬の存在だ。適応外使用ながらも多くの医療機関で使用されており、既存治療の補助的な治療法として有用性が評価されているほか、最近は合併症である黄斑浮腫に対する有効性を評価する臨床試験の動向も注目されている。疾患の特徴糖尿病治療の改善で中途失明が減少糖尿病網膜症とは糖代謝異常に伴う微小血管障害により生じる疾患で、糖尿病性腎症、糖尿病神経障害と並ぶ、糖尿病の「3大合併症のひとつ」と位置付けられる。高血糖状態が持続し、酸欠状態になると網膜に...