【速報】武田薬品 スイスのNycomed社を約1兆1185億円で買収 世界10位入りへ
公開日時 2011/05/19 16:00
武田薬品は5月19日、スイスのNycomed社(本社・チューリッヒ、ハーカン・ビョークランド最高経営責任者)を96億ユーロ(約1兆1185億円)で買収すると発表した。日本の製薬企業による買収としては過去最高額。この買収により武田薬品は世界の製薬企業トップ10入りする可能性が浮上してきている。
買収方式はNycomedの発行済み株式100%(1377万8110株)を現金で買収し、これに伴い武田薬品は6000~7000億円程度の借入を実施する。なお、Nycomed社が運営する米国皮膚科事業は買収の対象外。買収は今年9月末までに完了予定としている。
◎欧州市場、新興市場の事業拡大に期待
武田薬品では今回の買収の効果について、(1)年間売上高を30%強改善(2)買収に伴う特殊要因除き、営業利益を40%強改善(3)買収に伴う特殊要因除き、EPSを30%強改善ーと説明。この他にヨーロッパ市場や新興市場での事業拡大が見込めるとしている。
買収するNycomed社は2005年(創業年1874年) 設立で。資本金は9万8836ユーロの非上場会社。従業員は今回武田薬品が買収対象外とする米国皮膚科事業部門も含め約1万2500人。同社グループの2010年通期業績は売上高 31億7060万ユーロ、営業損失4420万ユーロ、当期純損失2億2900万ユーロとなっている。