日本イーライリリー 骨粗鬆症用薬フォルテオ 注入ボタン不具合で自主回収
公開日時 2011/05/19 04:01
日本イーライリリーは、骨粗鬆症治療薬「フォルテオ皮下注キット600μg」(一般名:テリパラチド(遺伝子組換え))の一部の製造ロットで注入ボタンが正常に作動しないとの報告を受け、5月17日から自主回収(クラスⅡ)を始めた。内部部品に強度に問題のあるものが含まれていたためという。注入ボタンが動作しない場合は注射操作自体も行えないことから、「健康へ大きな被害を及ぼすことはないと考えている」としている。また、これまでに健康被害も報告されていない。
回収対象となった製品は今年3月7日~4月26日に出荷されたもの。出荷数量は2万5718箱。回収対象のロット番号は個装箱が「A819977CA」、キットラベルが「A819977C」。使用期限は2012年5月。
フォルテオの注入ボタンに関連するプラスチック製部品を製造する際、誤ってプラスチックの溶解温度を高く設定したため強度が落ちてしまい、結果として壊れやすくなってしまった。このため、この製造ロットだけ不具合が生じる可能性があるという。
フォルテオは自己注射可能な1日1回投与タイプの骨粗鬆症治療薬で、骨の形成促進という新しいタイプの画期的新薬。効能・効果は「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」。10年10月から販売している。