FDA 加速承認検証でがん諮問委と年次会合を計画
公開日時 2011/02/24 04:00
米国では、抗がん剤など生命を脅かす疾患の治療薬については、臨床試験を最小限に行う加速審査が認められているが、加速審査で承認取得後、申請者に義務付けられている承認後の有効性の確認試験がなかなか完了せず、食品医薬品局(FDA)が申請者である企業に注文を付けている。
このため、FDAの腫瘍薬製品部(OODP)は加速審査が多い抗ガン剤分野の審査を行う、腫瘍薬諮問委員会(ODAC)との情報交換を密にするため年1回の会合を設定する計画だ。OODPが2003年、2005年に引き続き、2月8日に開催したODACとの会合終了後に明らかにした。同会合は、加速試験のための臨床試験の改善と承認後の確認試験のスピードアップを目指して開催される。
◎2月8日のOODPとODACとの会合 アービタックスなど5品目を紹介
同日の会合では、確認試験が行われている5品目も紹介された。5品目は、イーライリリーのアービタックス(セツキシマブ)、グラクソスミスクラインのBexxar(tositumomab/ヨウ素|131tositumomab)およびArranon(ネララビン)、ジェンザイムのClolar(クロファラビン)、アムジェンノVerctivix(パニツムマブ)、ノバルティスのグリベック(イマチニブ)。
加速承認をした抗がん剤では49剤のうち29剤が単群試験だったが、FDAでは無作為化二重盲検が適切と考えており、小規模試験でも薬剤の効果を明確に示すことが出来るとの見方を取っている。OODPは、①無作為化試験が加速承認を正当化するための前提、②単群試験は薬剤がつよい効果を持つ場合か、患者小集団の場合に適している、③FDAは企業に担保のために2つの確認試験を要求すべきーなどを指摘した。
加速承認を受けた製品が承認後に確認試験が終了するまでの期間は中央値が3.6年、範囲は0.8年から12.6年とかなり幅がある。
薬剤のベネフィットが確認されないまま市場に留まる期間の実例は以下の通り。
*ベネフィット確認試験が完了した品目で、加速承認からの完了までの期間。
liposomal doxorubicin 12.6年
denileukin 9.7年
lipo-cytarabine 8.1年
ibritumomab 7.5年
dexrazoxane 7.4年
未だ確認試験を完了していない品目で加速承認からの期間。
celecoxib 11年
cetuximab 6.9年
tositumumab 131 6年
clofarabine 6年
nelarabine 5.2年
(The Pink Sheet 2月14日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから