混合診療解禁への論議に新たな展開
公開日時 2010/08/30 00:00
キーになり始めた医師の裁量権7月末に開かれた第1回癌研オープンアカデミー「日本のがん医療の未来を考える」で、呼吸器内科専門医の発言が話題を呼んでいる。大阪府立急性期・総合医療センターの谷尾氏が紹介した海外治験の体験談である。同氏は、若い肺がん患者の治療に際して、日本の研究者が開発に関与した治験薬が、当該患者の適用になるのではないかと思い、韓国で行われていた治験実施機関に搬送し、治療を受けさせた。同医師がすべてを準備、進めたようだが、果たしてその結果、かなりの効果をみたことが報告された。この経験が何を物語っているかだが、ひとつには日本の治験環境の劣悪さであり、もうひとつは医師の裁量権の問題だ。特に、混合診療解禁を求める一部の患者団体などからは、こうした医師の行為にインセンティブを与えるためにも...