NBI 鳥居取締役 行動力に裏付けられた信頼で組織を牽引
公開日時 2010/07/09 04:02
7月1日付けで日本ベーリンガーインゲルハイムの取締役に就任した鳥居正男氏。来年1月1日に予定される日本担当カントリーマネージング ディレクター就任へ向け、本誌取材に対し、今後の意気込みを語った。
「私が仕事をする上で一番の原点は、社員と社員の家族の方たちに、“ベーリンガーインゲルハイムは良い会社だ”と言って欲しいということ」と語る鳥居氏。そのゴールに達するため必要なのが“信頼”だと鳥居氏は話す。この信頼は、社員、顧客、海外本社の3者から勝ち取ることを目指すという。
社員からの信頼を得るために重要視するのが、自身の行動力。「会社の雰囲気はトップからくると思う」と語り、“全力投球で手抜きをしない”をモットーに、自身の行動力で社風を培い、社員を牽引したい考えだ。
実際、MRとしての経験はない鳥居氏だが、ローヌ・プーランローラー、シェリング・プラウでの代表取締役社長時代を通じ、MRとの同行を欠かさず、現場重視を貫く。現在でも、「月に2日を目標に、MRに同行し、ディテールを行っている」という。同行により、現場の課題や希望から、顧客から見た自社のイメージまで分かるほか、「自社製品について勉強する一番の機会でもある」と語る。
MRに対しては「同行の度に頭がさがる思い」で、「のびのびと仕事ができる環境を作りたい」と話す。「MRの皆さん1人1人の先には医師がいて、そのさらに先には患者さんがいて、患者さんのQOLが改善して・・・と日々の仕事が影響しています。悩みをもった時には是非このことを思い返してほしい」とMRへの想いを語る。
今後、抗凝固療法、糖尿病、がんなど新規領域への参入も見込まれるが、市場規模などによらず、「すべての製品で成功させる」と意気込みをみせ、この成功体験が社風の醸成にもつながると期待感をみせた。
◎ジェネリックではなくスイッチOTCでプレゼンス強化
そのほか、エスエス製薬の完全子会社化が控える中で、エスエス製薬のブランド力を活かして、OTC(一般用医薬品)市場でのプレゼンスも増したい考え。日本ベーリンガーインゲルハイムの製品をスイッチOTCとして導入することも視野に入れる。
「ジェネリック医薬品は究極的には価格の追求になるが、OTCはブランド力で製品の価値を追求できる」とし、ジェネリックに力を入れる製薬企業が多い中で、「ベーリンガーインゲルハイムとしては、OTCでやっていくという判断」との考えも示した。
【Monthlyミクス8月号「PRESIDENT」にて詳報します】