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中医協薬価専門部会 新薬の14日処方制限のあり方 12年度薬価改革までに検討

公開日時 2010/06/24 04:02

中医協薬価専門部会が6月23日に開かれ、12年度に予定する次期薬価制度改革までに、新薬の14日処方制限のあり方を検討することを確認した。これは今年3月末の中医協総会で、大日本住友製薬の1日最高用量を2250mgまで引き上げた糖尿病治療薬「メトグルコ」が、同社が50年前から販売している糖尿病治療薬「メルビン」と同一成分にもかかわらず、開発コストが回収できないとの理由で新薬扱いとなり、14日処方制限の対象となったことが発端。診療側委員からは▽主成分のメトホルミンは使い勝手がわかっている▽長期処方できる他の糖尿病薬との併用がメトグルコだけできないのは使い勝手が悪い――として、メトグルコを14日処方制限の対象にすべきでないと指摘していた。

新薬の14日処方制限をめぐっては、米国研究製薬工業協会(PhRMA)在日執行委員会も今年に入ってから、見直しを求める考えを表明した。また、使い慣れた併用療法と同一の有用性が期待される配合剤に対する14日処方制限の妥当性も指摘されており、メトグルコのケースにとどまらない議論に発展する可能性もある。

この日の薬価専門部会は10年度薬価制度改革後、初めての開催で、10年度改革論議で浮き彫りになった積み残しの課題を12年度の次期薬価改革までに検討することを確認した。現時点での検討テーマは、10年度に試行導入された新薬創出・適応外薬解消等促進加算を12年度以降も引き続き実施するかどうかのほかに、▽先発品より薬価が高い後発品の取り扱い▽後発品の収載品目が多いことと、同一成分の後発品同士で薬価に大幅なバラツキがあること▽内用配合剤について、配合されている成分が4~6%の特例引下げを受けた場合に、内用配合剤も特例引下げの対象とするかどうか(配合剤は現在対象外)▽原価計算方式の算定方法▽新薬の処方日数制限――の5テーマ。このうち先発品より薬価が高い後発品については、支払い側委員から、先発品と同一薬価の後発品も対象にすべきとの指摘が上がり、併せて検討することとなった。

一方、業界代表の専門委員からは、薬価収載後長期にわたって安定供給している医療上必要な医薬品(=エッセンシャルドラッグ)に対する薬価上の措置の検討を求めたが、検討するかどうかの議論まで至らなかった。

●用法用量に適した規格を揃えるべき 診療側・安達委員

また、診療側の安達秀樹委員は、気管支喘息治療薬「ゾレア」(一般名=オマリズマブ)を引き合いに、用法用量に適した規格を揃えるよう指摘した。ゾレアは150mg1バイアルの規格しかない一方で、用法用量は病態に応じて5段階あり、このうち75mg(0.5本分)、225mg(1.5本分)、375mg(2.5本分)が用法用量のケースがある。余った半量分は医療機関で保存できないため残量廃棄が認められており、結果的に患者や保険者は0.5本分余計に支払っているという。安達委員は、「1本約7万円と高価であり、3.5万円分が治療に使われていないのに、患者や保険者は余分に支払っている。早急な改善が必要だ」と強調し、当該メーカーは75mgの規格を揃えるべきと訴えた。

これに対して厚労省保険局の磯部薬剤管理官は部会で、「ごもっともな指摘。用法用量に合わせた規格を揃えるのは当然だ」と同調し、ゾレアの例に限らず、製薬企業に対応を要請する姿勢を示した。
 

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