日本糖尿病学会の「インクレチンとSU薬の適正使用に関する委員会」は、SU薬と、DPP-4阻害薬のアログリプチン(製品名:ネシーナ)、GLP-1受容体作動薬のリラグルチド(製品名:ビクトーザ)を併用する際、重篤な低血糖発現に注意を呼び掛ける勧告を公表した。すでに発売されていたDPP-4阻害薬のシタグリプチン、ビルダグリプチンについての勧告を改訂したもので、6月16日付で学会HPに掲載された。
同委員会はすでに、DPP-4阻害薬のシタグリプチン(製品名:ジャヌビア/グラクティブ)、ビルダグリプチン(製品名:エクア)について、SU薬併用下で注意喚起を促している。特に、65歳以上の高齢者や軽度腎機能低下者(Cr1.0mg/dL以上)の患者については、シタグリプチン、ビルダグリプチンを追加する際には、SU薬を減量することを求めた。ただし、併用後に血糖コントロールが不十分なケースでは必要に応じてSU薬を増量するとしている。
アログリプチンは、SU薬との併用については現在承認申請中で、現在のところ適応はないが、シタグリプチン・ビルダグリプチン同様に、低血糖の発現に留意して使用するとした。
一方、リラグルチドについては「DPP-4阻害薬に比し、より作用が強力である」と説明。臨床試験の結果によると、投与早期から低血糖が発現しているとした。
その上で、リラグルチドは最大量(0.9mg)に達してから、「暫くの間、慎重な観察が必要」と指摘。SU薬併用下でリラグルチドを増量する際には、2週間後の受診を求め、「糖尿病専門医が低血糖について十分に確認した上で、リラグルチドを増量すべき」としている。