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医薬品卸は「価格競争と決別すべき」 民主党・櫻井参院政審会長

公開日時 2010/06/09 04:01

民主党の櫻井充参院政審会長は6月7日、宮城県医薬品卸組合の定時総会で記念講演を行い、医療・介護関連分野に資金を投入し、雇用創出と税収増を図るべきとの考え方を示した。とくに景気に左右されにくい製薬産業に言及し、新薬創出で外貨を稼ぎ出すことができると高く評価。産業育成策に力を入れることが、現在落ち込んでいる税収に寄与するとの見方を示した。医薬品卸については、「価格競争と決別すべき」と訴えた。


櫻井氏は、「社会保障ニューディール政策」をテーマに講演した。米国の証券会社リーマンブラザーズの経営破たん後、世界経済が落ち込んでいる状況を説明。日本経済もそのあおりを受けて、産業のけん引役だった、自動車、電機産業でも落ち込みが目立つとした。


その上で、「自動車や家電は景気悪化により大きな影響を受けたが、健康に密着した製薬への影響は限定的」と強調。具体的には、製薬産業の納税額は2009年3月期に3087億円にのぼり、前年度から大きく落ち込んだ自動車の562億円、電機の1420億円を上回り、産業別でトップになっているとした。さらに 「景気悪化で税収が落ち込む中、どの産業を大切にするのか、考えなければいけない」とも強調した。

自動車、家電が、エコカー補助金、エコポイント制度などで、政府のバックアップを受ける反面、納税額1位の製薬が、後発品の使用促進や、薬価の引き下げなどを受け入れさせられていることを疑問視し、後発品がだめだといっているわけではないと前置きした上で、「外貨を稼ぐという意味で、(自動車、電機よりも)、製薬企業、先発メーカーががんばれる環境を作るべき」と主張した。そのほか、製薬産業の発展には、世界の中で出遅れているワクチンなどにも力を入れるべきだと注文をつけた。


◎新薬創出加算-宮城県医薬品卸組合がメーカーとの説明活動で依頼文作成


医薬品流通については、「みんなががんばった結果、(医療費の財源を捻出するため)5000億円下げろといわれる。いいかげん価格競争をやめるべきだ」と諭した。さらに、「製薬、卸は反転攻勢に出るべきだ」とも訴え、医療機関、医師などと対等な関係で交渉すべきとも提案した。医薬品卸には、「過度な薬価差の要求は、24時間365日の医薬品安定供給を破壊する危険があると主張すべき」とアドバイスを送った。


櫻井氏の講演に先立つ定時総会では、「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の趣旨を、医療機関・調剤薬局に説明しなければならないとの発言があった。宮城県医薬品卸組合の一條武理事長は、「製薬企業と医薬品卸が一緒に説明し、理解を促さなければならない」と強い意欲を表明。宮城県医薬品卸組合として、製薬企業に対し、一致団結して説明活動を行うための依頼文を作成し、配布するとした。

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