清潔野での注射器の薬剤 取り違え事故5件報告 注意呼びかけ
公開日時 2010/01/20 04:00
手術や検査などの清潔野で注射器に準備された薬剤を取り違えた事故が5件あったと、医療事故情報を収集している日本医療機能評価機構がこのほど発表した。集計期間は2006年1月~09年11月末。再発防止策としては、▽注射器に薬剤を準備する際は使用者が直前に準備することを原則とする▽やむを得ず事前に注射器に薬剤を準備する際は容易に識別できるようにする▽消毒薬とその他の薬剤を類似の容器に準備しない――を紹介し、医療機関に注意を呼び掛けた。
具体的な事故事例としては、例えばカテーテル検査において、注射器に準備されたオムニカインとフラッシュ用のヘパリン生食が清潔野に置いてあり、医師がヘパリン生食を投与するところを誤ってオムニカインを投与したため、患者が徐脈傾向となった。医師は最初、オムニカインが入った注射器に22Gの針をつけ目印として識別していたが、局所麻酔後にシリンジから針を外して清潔野にシリンジを置いたため、ヘパリン生食が入った注射器と混同したという。