バイエルヘルスケアは、シエーリング・ファーマとの統合によりスペシャリティファーマ企業として自社を位置づけ、世界戦略を展開している。このうち中国市場では、プライマリーケア(PC)を重視する考えだ。中国での2008年売上高は対前年比50%増の7億5000万ドルに達し、中国でNo.1の製薬企業となった。
バイエルヘルスケア・チャイナのLiam Condon Managing Directorは、「シエーリング・ファーマとの合併だけでは1位になれず、未だ6位に甘んじていただろう」と話し、PCが大きく業績拡大に寄与したとの考えを示す。競合他社がスペシャリティファーマを目指しているときにPC強化の理由を、「中国ではまだ基礎的なヘルスケア・ニーズが充足されていないので、スペシャリティファーマよりも重要だ」と説明している。
バイエルの中国でのPC担当MRは1700人だが、このうちスペシャリティ担当は400人以下だ。バイエルの中国でのトップ10製品は糖尿病薬グルコバイ、バイアスピリン、アダラートなどPC医薬品だ。バイアスピリンは、50以上の後発品があるにも関わらず90%のシェアを確保。アダラートは、降圧薬市場で他の国と異なり、ファイザーのノルバスクよりも大きなシェアを確保している。同氏は、その理由を、▽保険償還システムが整備不十分なため、スペシャリティ薬品は自己負担となる▽偽造医薬品が多いため、当局、医師は安全性の観点から、古くから使用され品質が確保されている製品を好むーなどを挙げている。
(The Pink Sheet 11月30日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから