仙石行政刷新相 診療報酬プラス改定を後押しする
公開日時 2009/12/03 04:01
仙石由人行政改革担当相は12月2日、東京都内で行った講演で、次期診療報酬改定に触れ、税収の急激な落ち込み、景気対策による財政出動など財政悪化要因がある中にあっても「少々の覚悟をすれぱ、診療報酬の国庫負担は1/4ですから、大騒ぎする額ではなくとも、プラス改定の方向で動かすことができると思っている」との認識を示した。野田佳彦財務副大臣のマイナス改定発言に対しても「根拠ない」とけん制、個人的にプラス改定実現へ後押しする構えを見せた。
講演は、「どうする、日本の医療」をテーマに開かれた医療フォーラムで医師ら医療界、医薬品産業関係者を前に行われた。仙石担当相は、医療労働環境の改善と良質な医療の提供、安定的な生活基盤の保障、産業論の観点から、より高い医療費水準が必要との持論を展開した。大臣の立場を離れて「今回の診療報酬改定では、わずかにでも芽出しができるよう、プラス改定に動かせるよう、私自身は動きたい」と意欲を語った。
産業振興による経済成長でも「医療や介護、その隣の医薬品や医療機器の業界も大きく伸ばさなければならない時代」と述べ、そのためにサービスを供給拡大し、内需拡大に寄与させていくことは「産業論としても正しい方向」と強調した。「産業論としても医療費を拡大していくことに躊躇しない構えが必要」だとした。
医療費増の跳ね返りとして患者負担が高くなることとの批判に対しては「高額療養費制度が維持できるなら、窓口負担、保険料の負担をもう少しお願いする構えが政治・行政になければならない」と指摘し、患者・国民に負担増を問わなければならない場面が出てくる可能性があるとした。ただ、医療費負担が厳しい人たちもいることから、高額療養費の見直しも必要だとした。
ドラッグ・ラグや未承認薬・未承認適応、抗がん剤など高額薬剤に対する重い患者負担といった問題に対しても「我々がどう対応するか問題となっている」との認識を示した。