FDA 喘息治療薬ゾレア 心血管系の安全性で評価を実施
公開日時 2009/07/28 04:00
米FDAは7月16日、ジェネンテックが販売する中等度~重度の難治性喘息治療薬ゾレア(一般名=オマリズマブ)の安全性評価を実施中との早期安全性通知(Early Communication)を発行した。
ジェネンテックが実施している同剤の長期安全性・有効性を評価するEXCELS試験の中間報告でゾレアの服用により、心臓発作、心拍異常、心不全、脳卒中などの発症の可能性への関与が疑われたための措置。
早期安全性通知は、薬剤の安全性について評価中であることを医療関係者、消費者に周知、評価完了時に新知見の公表あるいは勧告等を行う。評価が完了するまでは、医療関係者、消費者は当該薬剤が有害事象を起こす可能性について留意すべきとしている。ただし、この段階では、FDAは処方上・使用上の変更などは勧告しない。
EXCELS試験は、脳・心血管イベントのリスクを検討するためのものではないため、もともと心血管イベントのリスクが高いとされる重症喘息患者でどこまで検討できるかは議論となりそうだ。
■ノバルティス 添付文書の改訂などは求められていない
日本で同剤を販売するノバルティスファーマ・広報部は、「現時点で(添付文書などの改訂などの)対応は求められていない」と説明。EXCELS試験の結果がまだ中間報告であることから「今のところ何とも言えない」とコメントした。今のところ、日本では1つの有害事象に特化した市販後調査は求められていないという。