米マイラン コーリー副会長兼CEO 日本市場への投資に意欲
公開日時 2008/03/06 23:00
世界第3位の後発医薬品メーカーである米マイランのロバート・J・コーリー
副会長兼最高経営責任者(CEO)は3月6日、同社の日本法人のマイラン製薬
が開いた事業戦略記者説明会で、「これまでグローバル市場で培った経験を投
入し、必要な限りの設備投資をしたい」と述べ、日本市場での積極展開に意欲
を示した。米マイランが世界で販売している製品も近い将来、日本市場に投入
していく方針だ。
マイランは1961年に創業し、90ヵ国以上に販売網を持つ。売上高42億ドルで、
従業員数は約1万2000人。07年10月には独メルクの後発品事業部門を67億ドル
で買収し、後発医薬品市場で世界7位から3位に浮上した。それを機に日本法
人メルクで後発品事業を展開していた旧メルク製薬が傘下入りし、08年2月に
マイラン製薬に社名変更した。
マイラン製薬の佐藤公明社長は、米マイランとの統合シナジー効果について
「最も大きいのは製品開発の分野。米マイランは世界中で570~600品目を販売
しており、日本で発売していない製品が沢山ある」と強調。また、相互補完に
よる効果として、グローバル・グループの中で製品開発が迅速化でき、グロー
バルで製品供給能力を有することがアドバンテージになると説明した。
マイランがグループに抱える世界第2位の医薬品原料メーカー(印マトリック
ス・ラボラトリーズ)についても「米FDAに116のドラッグ・マスターファイル
(DMF)を提出している。原料供給メーカーがあることは大きな強みになる」
と話した。日本でもマトリックス社の事業拡大に向け、他の後発医薬品メーカ
ーに対して原薬供給の営業活動を展開していく。
マイラン製薬は従業員約370人(MRは約190人)、販売製品は約400品目(局方
品や「エピペン」などの新薬6品目を含む)。国内での売上や市場シェアは非
公表。抗生物質、抗がん剤、スキンケア・アレルギー、メタボリック・シンド
ローム等の生活習慣病の4領域が得意領域だが、米マイランからの協力を得て
中枢神経系領域にも取り組み、戦略領域として拡大する方針。また、営業体制
の強化に向け「医療現場のニーズに応えられるだけの人員を今後も拡充してい
く」とした。