第一三共によるゼファーマ買収記者会見
公開日時 2006/04/02 23:00
第一三共の庄田隆社長は3月31日の会見で、ゼファーマを買収した狙いについ
て「国内一般用医薬品市場は大変厳しいが、健康食品やスキンケアなどの関連
商品は大変良く成長している。この中で事業規模の拡大を目指して、上位メー
カーでの集中化が進んでいることも事実」とし、「ヘルスケア領域で規模を拡
大し、競争力のさらなる強化を目指して決定した」と語った。今後の成長に向
け、▽バリューチェーンの中での価格競争が激しい▽原価が高い▽広告費にコ
ストがかかる―などの課題解決に取り組む考えを示した。
大手製薬メーカーが医療用医薬品事業に資源を集中化するために、中外製薬な
ど一般用医薬品事業を売却する動きもあり、今回のゼファーマの買収はそうし
た流れに逆行するとの声もある。これに対し、庄田社長は「日本のヘルスケア
事業は収益率が低い。しかし、世界的に見れば、ジョンソン・エンド・ジョン
ソンなどのようにヘルスケア事業をコア事業と捉えて、一般用医薬品事業が医
療用医薬品事業に劣らない企業もある」とコメント。一般用医薬品のほかに、
機能性食品やスキンケアなど成長市場への取り組みも強化する姿勢を示した。
第一三共では今回のゼファーマの買収により、▽総合感冒薬、胃腸薬、外皮用
薬の3領域でコンセプトの異なるユニークなブランド品が集まり、3つの強力
なフランチャイズを構築している点▽保有する優れた製剤技術の応用で、持続
型製剤などの開発が可能になる▽医療用成分のスイッチOTC化の機会増大―な
どのシナジー効果の発揮を期待できるとしている。
ゼファーマ社員の待遇については「07年4月以降は第一三共と全く平等な扱い
をしていく」と説明。一方、人員削減の計画については「第一三共グループ全
体の中で最適化を検討していく」と述べ、明言を避けた。製品の絞り込み、整
理に関しても「これから検討していきたい」と述べるにとどまった。
ゼファーマの大江方二社長は「アステラスが株の譲渡を検討していることは数
ヶ月前に聞いた。私としては親会社であるアステラスに対し、一緒になって成
長性やシナジー効果があることなどを要望してきた」と明かした。