J-TIPS試験 BPH患者の半数が夜間頻尿のためQOL低下
公開日時 2006/03/22 23:00
前立腺肥大症(BPH)患者の半数が1日3回以上の夜間排尿のために起き、QOL
を低下させていることが日本初の約1万人を対象にした「J-TIPS試験」で分か
った。福島県立医科大学医学部泌尿器科の山口脩教授が3月17日にアステラス
製薬が開いたプレスセミナーで発表した。
J-TIPS試験は04年10月から05年12月までに全国1100施設から1万744例の症例
を集め、BPH患者の実態やハルナールの安全性や有効性を調べたもの。その結
果、9割以上のBPH患者が排尿症状(尿がでにくい)と頻尿症状を併発。また、
9割以上に夜間頻尿と尿勢低下が見られるとした。ハルナールの治療効果につ
いては、軽症から重症までの全ての症状で少なくとも4週間で患者の症状が改
善していることや、効果が全ての年齢で得られたことなどが示された。
山口氏は、他の薬剤との違いについても触れ、抗アンドロゲン薬が改善効果が
現れるまで6ヵ月から1年の長期投与が必要で、副作用として性機能障害(ED)
が高率に発現するのに対し、α1遮断薬のハルナールは症状の改善は1ヶ月以
内であり、EDも起こさないといった効果があることも指摘した。