日医 薬価改定年1回実施に反対、医療機関の負担回避で方針転換
公開日時 2005/12/07 23:00
日本医師会は12月7日の中医協薬価専門部会で、薬価改定の年1回実施に対し、
従来方針を転換して反対姿勢を明確にした。日医の松原謙二常任理事は「コン
ピューターソフトの設定をやり直すなど医療機関に相当な費用がかかる」と主
張。診療報酬改定率の決定権が中医協から内閣に移り、マイナス改定が必至な
状況のなか、医療機関のさらなる負担を回避すべく方針を転換した。
厚生労働省は同日の中医協薬価専門部会に06年度薬価制度改革の方向性を示し
「現在2年に1回行っている薬価調査に基づく薬価改定の頻度を高めることに
ついて検討を行う」ことが盛り込まれた。
日医は、以前中医協で実勢価格と乖離する薬価を是正するには薬価改定を年1
回実施すべきと主張していた。薬価引き下げで財源を捻出し、引き下げが技術
料に及ぶことを阻止する狙いからだ。だが、中医協の権限は縮小され、財政再
建を優先する官邸サイドによって、技術料はマイナス改定が決定的となってい
る。医療機関にも負担を強いる薬価改定の年1回実施の阻止に関しては製薬業
界と足並みが揃った格好だ。