米アストラゼネカ 新規症例へのイレッサ投与原則停止
公開日時 2005/06/20 23:00
英アストラゼネカの米国法人は6月17日、抗がん剤「イレッサ」(一般名:ゲ
フィチニブ)について、米国での処方は、「同剤で利益が得られている患者」
と「過去に利益が得られた患者」に限定し、新規症例への処方は臨床試験への
参加を前提とすることを内容とした添付文書の改訂を行うと発表した。昨年12
月に公表された、プラゼボ投与群との比較で延命効果が得られなかったとする
ISEL試験などから、米FDAと協議した。
また、改訂内容をより確実に実行するため、9月15日より投与対象患者を登録
する「イレッサ・アクセス・プログラム」をスタート。登録患者のみへの処方、
投薬が行われるようにする。
一方、この問題で厚生労働省は、「国内での新たな措置は考えていない」と答
えた。ISEL試験の初回解析結果発表後、4回にわたり開いた厚労省の「ゲフィ
チニブ検討会」が今年3月、当面の対応として(1)従来の安全対策を引き続
き実施する(2)日本肺癌学会のガイドラインを周知徹底する――ことを内容
とした報告書をまとめており、それに基づき添付文書も改訂。「FDAより先に
対応済み」(医薬食品局安全対策課)との判断だ。