日薬連薬価研小委 財務省主導薬価制度見直し論議に警戒感
公開日時 2005/06/14 23:00
日薬連薬価研の3小委は6月14日、研究報告を発表した。このうち既収載品小
委は「後発品には先発品との間に薬価格差があること、先発品は成分全体のリ
スクマネジメントの役割を担うことが望ましい」と先発品と後発品の役割の違
いを認識し、共存していく重要性を強調。後発品の使用促進の理念のもとに先
発品に切り込もうとする議論を牽制した。一方、新薬小委は有用性加算の要件
緩和や加算率見直しを求めた。
先発品と後発品の関係をめぐっては、99年12月の「薬価制度改革の基本方針」
に「先発品と後発品を薬価算定ルール上、同一に扱い、同一の競争条件とする
ことを検討する」との考え方が盛り込まれたのを発端に、01年10月には既収載
の先発品の価格適正化策として、先発品の薬価を後発品を含めた同一成分・同
一規格の全銘柄の市場実勢価格の平均値などを用いて調整幅方式で改定するな
ど3案が示された。
3案は業界側の抵抗により実現しなかったが、02年度から「先発品の特例引き
下げ」が導入された。今年6月に財務省の財政制度等審議会がまとめた「06年
度予算編成の基本的考え方について」に「後発品の使用を促進するための薬価
制度の見直し」が盛り込まれたため、再び先発品メーカーに警戒感が広がって
いる。
既収載品小委は、先発品の特例引き下げに対しても「不用意な拡大は、薬価基
準制度の基本的な理念を完全に崩壊させかねない。もしそうした事態があると
すれば、その際には実費償還を理念とすること自体を根本的に見直し、新薬の
薬価算定のあり方や特許期間中の薬価算定のあり方など全面的な見直しを視野
に入れるべき」とこれ以上妥協しない構えを見せている。