安倍元審査管理課長 企業の総合機構批判は時期尚早
公開日時 2005/05/25 23:00
安倍道治元厚生労働省審査管理課長(現日本公定書協会常務理事)は、製薬協・
政策研のリサーチペーパーの中でインタビューに応え審査体制について「まず
は本当に必要なところに必要な人員をあてる再配置を行うべき。新薬審査部門
と他の部門では忙しさがまるで違う」と述べるとともに、審査官の増員につい
ては「現状の総合機構(292人)とFDA(2237人)の中間ぐらいの人員が必要」
との認識を示した。
個々の審査官について「どこまで責任を負わせるかという点を明確にすべき。
米国では刑事責任は免責されていると聞いており、このことが審査に対する姿
勢に表れている」と指摘。また「企業の開発担当者と比べたら給与水準は低く、
引き上げなければならない」と処遇改善の必要性も説いた。
総合機構の業務が滞り、企業側に不満が広がっていることに対して「体制変更
による改善効果が出てくるには2~3年はかかるもので、問題点をいろいろ取
りあげて騒ぐことは不適切」と述べている。さらに企業に対して「当局をお上
として接する態度が強く出ている。余分なことは言わずにハイハイとだけ言っ
ておこうという印象を受ける」と戒めた。
開発支援・相談制度に関しては「FDAに倣ってIND(インベスティゲーショナル
ニュー ドラッグ)制度を導入し、現在は任意の治験相談を法制化し、開発
段階から当局が適切な開発に導くべく関与すべき」と薬事法改正の必要性にも
触れた。