東邦薬品 「価格ロック」で売上総利益大幅増
公開日時 2003/05/26 23:00
東邦薬品は5月26日、03年3月期の決算説明会を開いた。松谷高顕社長ら首脳は、売上総利益率が7.9%と前年度比0.6ポイント上昇したことについて、価格ロックシステムなど採算重視の姿勢が奏功したと強調。利益戦略をメーカー別、商品別に見直すなどで、今期はさらに8.0%まで上昇させる考えを示した。売上総利益は379億円で前期から19.8%伸びた。価格が安い医療機関には納入辞退も念頭に交渉するなど、利益確保を貫いたという。効果を発揮した価格ロックシステムとは、営業現場で安く納入しようとしても売上伝票が発行できないよう制御するもの。そのほかにも医療機関には、支払サイトが長期化していれば話し合いを持つなど厳格に対応、結果としてキャッシュフローが55億円増加して200億円に達するなどの成果を得た。携帯型情報端末で発注や情報検索ができる双方向システム「ENIF」は3月末で契約が約1万6000台、その特典で実施している分割販売は月間4億2000万円に達した。先に福神とアズウェルの経営統合が発表され、1兆円規模の卸は3社誕生することになったが、東邦薬品を中心に構成する「共創未来グループ」15社の03年度トータル売上は8400億円だった。