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武田総合病院

公開日時 2008/11/30 00:00

病院data
病床数500床
1日患者数
・初診115人
・再来1164人
・入院416人

・院外処方率98%
・採用品目数1700品目
 うち後発品採用数 140品目
 後発品採用率 
  品目ベース8%
 平均在院日数16.9日
 紹介率20.1%

小川 陽子 薬局長

2人1組のチーム制導入で
月間服薬指導件数1200件以上

●グループ最大規模の施設  

 武田病院グループは京都府下に基幹病院10施設を抱え、その他に診療所、介護施設、リハビリテーション病院など多数の医療関連施設を持つ。武田総合病院は洛東・洛南のベッドタウンに位置し、病床数500と同グループで最大規模を誇る。同施設は21診療科と30の専門外来を持ち、緊急医療センターは年間4000人の救急患者に対応し、地域の基幹施設として位置づけられている。
 現在、薬局は18人体制で、比較的若いスタッフが多い。また、500床を抱える基幹病院であることから、グループでの薬剤師育成の役割も担う。そのため同薬局では「チーム医療に貢献する薬剤師の育成」を掲げ、スタッフはさまざまな資格を取得している。たとえば、糖尿病療養指導士10人、日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師10人、ケアマネジャー3人、日本医療薬学会認定薬剤師3人など多彩。「近年は糖尿病患者が増加し、全病棟で多数存在することから、糖尿病療養指導士の薬剤師の配置に努めている」と話す。

●2年目から病棟薬剤師   

 院外処方率が98%のため、薬剤管理指導業務に集中できる環境が整っている。
 薬剤師が配置される病棟は全部で10病棟。通常2人1組でチームを組み、いずれか1人が病棟業務にあたり、もう1人は調剤室で入院患者向けの調剤、抗がん剤やIVH無菌製剤の調製、院外処方せんについての疑義照会などの調剤業務を担当する。 同薬局では入局後2年目から、病棟薬剤業務に携わり、医師、看護師、患者との接触を通じて臨床現場での薬剤業務の基本を身につける。外来化学療法室やICCUなど豊富な知識と経験が求められる病棟は中堅薬剤師が担当している。このような結果、薬剤管理指導業務は月平均で1200件、04年度、05年度は1400件以上をキープしていたこともある。
 また、薬剤師の訪床件数も年々増加している。このような、効率性の高い薬剤管理指導業務が実施できるのは薬局の業務の合理化に加えて、院内のクリニカルパスが豊富であることも手伝っている。現在、院内のクリニカルパスは内科系・外科系などをあわせて全188種類。この豊富なパスの導入が、薬剤管理指導の効率化に貢献している。

●1ヵ月1500万円の削減に 

 医薬品の採用数は1500品目。今年4月からDPCを導入したことから、ジェネリック(GE)への切り替えを進めている。切り替えはよく処方される上位品目を選定。購入金額の大きい輸液・抗生物質などが、主な対象になった。その結果、1ヵ月単位で1500万円の医薬品購入費の削減につながった。
 GEの選択は実際にサンプルを取り寄せて、臨床現場での使いやすさなどについて検証している。
 「バイアルの表示の見やすさ、ゴム栓の耐久力などは製品によって違いがあります。その部分はしっかりと確認するようにしています」
 現在のGE採用は140品目、品目ベースで8%の水準。「大規模施設のGE採用状況を調べてみると、品目ベースで7~8%といったところです。当院は標準的な取り組み状況にあると思います」と説明する。今後は武田病院グループの各施設と意見交換しながら、導入ペースなどを検討していく。
 

●グループで採用を決定   

 同グループは医薬品購入をグループで管理しているため、採用・削除を決める薬事委員会もグループ施設の薬局長などで構成される。同委員会は年2回開催する。同委員会での採用と削除は全てのグループ内施設での採用・削除に結びつく。
 採用を希望するMRは採用申請窓口のあるグループ病院にて「宣伝許可」を申し込み、許可を受けた後に各施設の医局で製品の説明をしていく。申請した全ての製品に宣伝の許可が出るわけではなく、医薬品としての画期性、新メカニズムなど特色がない場合、許可は出ない。
 宣伝許可を受けたMRは、約1ヵ月半の宣伝期間中に製品の説明に各施設を訪問し、その後、各医局から薬事委員会に「採用申請」が提出されるのを待つ。
 一旦、採用が決まれば、グループ内の全ての施設で、製品PR活動ができる。ただし、通常の製品PRは採用品目のみに限定されていることから、MRにとって「採用申請」は不手際が許されない。医局でのPR活動は16~19時まで可能で、現在80社が日常的に訪問している。
 採用になった新製品については、近隣の薬局と合同勉強会を開催し、情報交換を行っている。また、チーム医療を推進するために、院内のクリニカルパス委員会、感染委員会、リスクマネジメント委員会などに加わり、薬剤の適正使用の推進・安全対策に取り組んでいる。

 

 

 

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