大阪地裁 日本新薬に9399万円支払い命じる ウプトラビ物質特許発明者による職務発明対価訴訟一審判決
公開日時 2025/03/31 04:52
日本新薬は3月28日、元従業員が在職中の職務発明に対する対価の一部請求として5億円の支払いを求めていた訴訟で、大阪地裁が日本新薬に9399万8140円の支払いを命じる一審判決を下したと発表した。日本新薬は本誌取材に、この元従業員はウプトラビの物質特許の発明者だと明かした。日本新薬は、「今後の対応については判決内容を精査のうえ、判断する」としている。
ウプトラビは肺動脈性肺高血圧症や慢性血栓塞栓性肺高血圧症を適応とする日本新薬の主力品のひとつ。2025年度の国内売上予想は152億円(前年度比18%増)で、海外売上に伴うロイヤルティ収入もある。
日本新薬によると、社内規定に則り、この元従業員には在職中に職務発明の対価として約650万円を支払った。元従業員は2022年4月に定年退職。社内規定では退職後も一定期間、対価を支払うことになっているが、元従業員は受け取りを拒否。特許法35条(職務発明)に定める“相当な対価”として不足していると主張し、22年12月に訴訟を提起した。