科研製薬 多重特異性抗体の炎症性腸疾患治療薬候補「ND081」で共同研究契約締結 スイス企業と
公開日時 2024/11/18 04:49
科研製薬は11月15日、炎症性腸疾患治療薬候補「ND081」について、スイス・Numab Therapeutics AG(ニューマブ社)と共同研究契約を締結したと発表した。締結は同日付。契約に基づき、同社は共同研究契約に関わる契約一時金として約 1300 万スイスフラン(約23億円)をニューマブ社へ支払う。ニューマブ社は非臨床および臨床開発の主要な実施主体を担う。科研製薬は、非臨床および臨床開発(PoC 試験まで)の資金提供と引き換えに、特定の主要アジア地域における「ND081」の商業化権を取得するオプション権を獲得する。
ニューマブ社は、多重特異性抗体をベースに免疫療法の医薬品を開発する企業。λ-CapTM 、MATCHTM を活用する独自のプラットフォームを有する。両社はすでに、アトピー性皮膚炎の治療薬候補で、初の二重特異性抗体である「NM26」の共同研究を実施。24年5月にジョンソン・エンド・ジョンソンとの間で知的財産譲渡および販売提携オプション契約締結に至った。なお、同候補物質をめぐり、スピンアウトしたYellow Jersey Therapeuticsはジョンソン・エンド・ジョンソンに12億5000万米ドル(約1920億円)で買収されている。
科研製薬の堀内裕之代表取締役社長は、両社が実施したNM26プロジェクトについて、「当社の研究開発力とニューマブ社の技術力との連携を進めた成果」と強調。再びニューマブ社と共同研究契約を締結することについて、「両社の持つ技術・リソースを最大限活かすことで、炎症性腸疾患(IBD)に対す る画期的新薬を創出するために全力を尽くす」としている。