GSK 主に長期収載品を扱うヴィンテージ部門 eディテール積極活用
公開日時 2012/04/19 04:02
グラクソ・スミスクラインは2011年8月から、主に長期収載品を取り扱う「ヴィンテージ部門」を立ち上げている。現在、H2ブロッカーのザンタックなど計14製品をラインナップし、情報活動はe-mailなどのデジタルツールや同社独自システムのコミュニティMR(=時間や勤務地に制限のあるMR資格を持つ育児中のママや、定年を迎えたMR資格者など)を駆使して行っている。同社は呼吸器、CNS、アレルギー、がん、ワクチン――といった領域を事業の柱に位置付けており、自社MRがディテールする製品を絞り込む過程でヴィンテージ部門が扱う製品を決めている。
他の製薬企業では、長期収載品や長期収載品を扱う部門を「エスタブリッシュ」と呼称するケースが多いが、GSKでは「ヴィンテージ」と名付けた。ヴィンテージ部門はGSK日本法人独自の部門となる。また、GSKではジェネリックを扱わない。
◎個別に業務委託契約する“コミュニティMR”も情報活動
ヴィンテージ部門が扱う製品をみると、ザンタックや高尿酸血症治療薬ザイロリック、ステロイド外用薬キンダベートなど長く臨床で使われている製品が多い。また、抗生物質製剤は全てヴィンテージ部門に移行させており、この中には物質特許が残存しているクラバモックスも含まれる。GSKは「抗生物質製剤だからヴィンテージ部門に移したわけではなく、(本体の)MRが注力する新薬や品目を絞り込んだ結果」としている。
ヴィンテージ部門は数人で組織している。情報活動するコミュニティMRの人数は開示していない。コミュニティMRは、MR資格を持つ育児中のママなどと個別に業務委託契約し、ディテール数に応じて対価を支払う。働く時間や地域に制限のあるMR資格者に対する同社オリジナルのシステムで、今回のヴィンテージ製品以外でも情報活動している。
≪GSKヴィンテージ部門で扱う製品≫
▽高尿酸血症治療薬ザイロリック▽ステロイド外用薬デルモベート▽H2受容体拮抗薬ザンタック▽ステロイド外用薬キンダベート▽抗ウイルス薬ゾビラックス▽関節リウマチ寛解導入薬リドーラ▽抗生物質製剤オーグメンチン▽抗生物質製剤モダシン▽抗生物質製剤オラセフ▽抗生物質製剤バナン▽制吐薬ゾフラン▽駆虫剤エスカゾール▽鼻腔内MRSA除菌剤バクトロバン▽抗生物質製剤クラバモックス