第一三共 早期NSCLC腺がん患者への抗TROP2抗体薬物複合体Dato-DXdでグローバルP3スタート
公開日時 2025/02/03 04:50
第一三共は1月31日、ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062、抗TROP2抗体薬物複合体・ADC)の早期非小細胞肺がんにおける術後補助療法を対象としたグローバル臨床第3相試験(TROPION-Lung12)で、最初の患者への投与を開始したと発表した。同試験は、日本を含むアジア、欧州、北米、南米において約660人を患者登録する予定。
TROPION-Lung12試験は、外科的完全切除後のctDNA陽性またはその他の高リスク病理学的特徴を有するステージ1の非小細胞肺がん(NSCLC腺がん)患者を対象として実施。術後補助療法としてDS-1062とrilvegostomig(PD-1/TIGITバイスペシフィック抗体)との併用療法と、rilvegostomig単剤療法における有効性と安全性を経過観察または標準術後補助療法と比較し評価する。主要評価項目は無病生存期間(DFS)で、重要な副次評価項目には、全生存期間(OS)、身体機能(患者報告)および安全性等が含まれる。
ステージ1の非小細胞肺がんに対する標準治療は手術と経過観察で、ステージ1bまたは再発リスクの高い患者に対しては、腫瘍切除後に術後補助化学療法や免疫療法が行われることがある。今回のTROPION-Lung12試験では、後補助療法が有効な患者を特定するため、バイオマーカーとしてctDNA(血中循環腫瘍DNA)を用いる。なお、肺がん患者を対象に承認されたTROP2標的の治療法はない。このため同社は、「早期非小細胞肺がんの術後補助療法に新たな選択肢を提供できるよう、DS-1062の開発を加速させたい」と試験の意義を強調している。