アルフレッサHD と創薬ベンチャー・ジェクスヴァルが資本業務提携 「GXV-001」R&D費で3億円調達
公開日時 2025/01/17 04:50
アルフレッサHDと創薬ベンチャーのジェクスヴァル社は1月16日、資本業務提携に関する基本合意書を締結したと発表した。ジェクスヴァル社の治療薬候補「GXV-001」が国内で製造販売承認を取得した場合に、国内の医薬品卸売販売に関する優先交渉権を付与するというもの。引き続き両社は、日本国内における業務提携に向けた協議を行う。なお、ジェクスヴァルは今回の資本業務提携に伴う第三者割当増資を実施し、「GXV-001」の第2相臨床試験に向けた研究開発費として3億円の資金調達を行った。
◎2018年設立のジェクスヴァル 湘南ヘルスイノベーションパークに拠点
ジェクスヴァル社は、2018年2月に設立された創薬ベンチャー企業で、神奈川県藤沢市の湘南ヘルスイノベーションパークに拠点を置く。AIと情報科学を活用して医薬品開発プロセスを効率化・最適化する独自の「AI駆動型ファーマコインフォマティクス技術」を用いて既存の創薬シーズの新たな価値を掘り起こし、創薬のプロセスに循環させる独自のアプローチを強みとする。「創薬におけるサーキュラー・エコノミー」としても注目されている。
◎「GXV-001」神経系疾患で共同開発 アルフレッサグループが製造、輸送・配送を支援
すでにジェクスヴァル社は、治療薬候補「GXV-001」の臨床開発を進めているところ。すでにジェクスヴァル社の100%子会社であるGEXVal AU Pty Ltdを通じて第1相臨床試験を完了。現在は、神経系疾患における臨床開発プログラムとして、第2相臨床試験の準備をすすめている。対象疾患としては、脆弱X症候群、レット症候群、術後せん妄など。今回の資本提携により両社は、「GXV-001」における神経系疾患での共同開発を検討する。国内上市に際し、当該製品の製造をアルフレッサファーマが行うことを検討するほか、輸送・配送に係る優先交渉権をアルフレッサグループが取得することになる。
アルフレッサHDの荒川隆治代表取締役社長は「GXV-001の開発・製造・流通・販売等に関して協業することにより、革新的な医薬品を1日でも早く患者にお届けすることで、医薬品アクセスの向上に貢献したい」と強調した。
一方、ジェクスヴァルの加藤珠蘭代表取締役は、「GXV-001は臨床第2相試験という重要な段階を迎えている。医薬品の開発から流通まで豊富な経験を持つアルフレッサHDとの協力により、薬剤を必要としている患者とそのご家族に1日でも早く新たな選択肢をお届けできるようベストを尽くしたい」と意欲を示した。