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武田薬品 上期コア営業利益率30.2% 事業構造再編費用で上期616億円計上 うち61%が退職金関連費用

公開日時 2024/11/01 04:54
武田薬品のクリストフ・ウェバー代表取締役社長CEOは10月31日、24年度第2四半期決算説明会に臨み、上期のコア営業利益率が30.2%になったと報告した。同社は、利益率改善に向けた「全社的な効率化プログラム」に現在取り組んでおり、日本でもJPBU等での希望退職・転身支援プログラム(フューチャー・キャリア・プログラム)の実施を10月21日に発表している。この日の説明会では、事業構造再編費用として上期に616億円を計上し、通期予算の1400億円に対して「計画通り進捗している」と報告した。ウェバー社長CEOは、日本の営業組織について、「革新的でターゲットを絞った治療薬が増えている。その中で最高のサービスと最高の情報を医師に提供するためにオペレーションの再編を行っている」と組織再編の意義を強調した。

◎古田CFO 効率化プログラムの進捗報告「コア営業利益率30%台前半から半ばに近づける」

古田未来乃・チーフ フィナンシャル オフィサ(CFO)はこの日の説明会で、同社が現在取り組んでいる「全社的な効率化プログラム」の進捗状況を説明した、古田CFOは、「2025年度以降、毎年100から250bps(1株当たり純資産)改善し、コア営業利益率30%台前半から半ばのターゲットに近づけていくことを目指している」と強調。そのための具体的施策として、本社および各地域の拠点で部門の組織構造改革(組織の機動性)に取り組んでいるとした。また、日本国内では希望退職・転身支援プログラム(フューチャー・キャリア・プログラム)を下期に実施すると説明。研究拠点は、米サンディエゴの研究サイトを閉鎖し、今後は米ケンブリッジと日本の湘南の2拠点に研究活動を集中させる方針を明言した。

◎調達コスト「第2四半期累計で約200億円削減」 DD&Tの内製化で効率化推進

一方、調達コストの削減については、「第2四半期累計で約200億円のコスト削減を実施した」と明かし、「データ・デジタル・テクノロジー(DD&T)を内製化して効率化を推進し、コスト削減を可能にしていく」と強調。さらに、イノベーション・ケイパビリティ・センターを通じ、これまで外部ベンダーに頼っていた業務にソリューションを提供するなどしてコスト抑制に努めているとした。さらにDD&Tイニシアティブのインパクトに言及し、「バリューチェーン全体で見られる」との感触を示しながら、「臨床試験における患者リクルートメントの迅速化から製造ネットワークにおける検査時間の短縮、血漿採取プロセスの最適化などに及んでいる」と紹介した。

効率化プログラムの実施費用は上期616億円を計上したという。古田CFOは、「これは計画通りで、通期見通しの1400億円に対して順調に推移している」と強調。また効率化プログラム費用の内訳について、「経費の大半は、退職金関連費用」と明かし、全体の61%を占めると説明した。

◎ウェバー社長CEO 「確かに売上収益比率は10%未満」でも優先順位高く今後も継続

ウェバー社長CEOは日本事業に言及し「確かに売上収益比率は10%未満」と明かした上で、「日本が世界第2位の市場であることに違いはない。日本は非常に優先順位が高く、そして非常に大きなプレゼンスを既に持っている。これからもそれを継続していく」と強調した。また、「レピュテーションも非常に強いものがあり、効率的に新しい製品を上市することができる」と述べ、今後のポートフォリオに合わせた組織体制を構築し、顧客への情報提供サービスなどを充実させていく考えを強調した。

◎売上収益 当初予想から1300億円増収(+3.0%) 4兆4800億円に上方修正

同社は、25年3月期の通期連結業績予想(5月9日公表)を上方修正した。売上収益については当初予想から1300億円増収(+3.0%)の4兆4800億円に修正。米国のVYVANSEについて独占販売期間満了後の後発品の市場浸透が当初想定していたよりも緩やかであることが一因。また、その他の製品が好調に推移していることや前提為替レートの見直しによる為替影響が全体として増収に寄与する見込みになったことなどによる。

【連結業績(前年同期比) 24年度通期予想(前期比)】

売上高 2兆3840億2800万円(13.4%増) 4兆4800億円(5.1%増)←修正前4兆3500億円
営業利益 3505億7600万円(194.0%増) 2650億円(23.8%増)←修正前2250億円
親会社帰属純利益 1872億9400万円(352.8%増) 680億円(52.8%減)←修正前580億円

【グローバル主要製品売上(前年同期実績)通期予想 億円】

【消化器系疾患】
ENTYVIO 4732(3917)9300←修正前9640
GATTEX/レベスティブ 733(589)1390←修正前1330
タケキャブ/VOCINTI  643(588)1310←修正前1330
PANTOLOC/CONTROLOC 225(229)440←修正前450
DEXILANT 198(232)370←修正前410
リアルダ/MEZAVANT 134(135)250←修正前230
RESOLOR/MOTEGRITY 113(101)230
EOHILIA 23(-)>4000%←修正前>5000%

【希少疾患】
タクザイロ 1110(871)2110←修正前2050
アドベイト 588(627)1770←修正前1820(予想はアディノベイト計)
アディノベイト/ADYNOVI 345(335)
エラプレース 531(457)960←修正前900
リプレガル 413(362)830←修正前750
ビプリブ 270(243)550←修正前530
フィラジル 98(117)170
リブテンシティ 155(83)310←修正前300
ボンベンディ 104(74)200
RECOMBINATE  52(60)100
アジンマ 24(-)

【血漿分画製剤】
免疫グロブリン製剤 3910(3092)10%~20%増
アルブミン製剤 703(589)1桁台%の成長
ファイバ 236(198)420←修正前410
HEMOFIL/IMMUNATE /IMMUNINE 146(93)250←修正前220
CINRYZE 82(84)150

【オンコロジー】
アドセトリス 682(543)1310←修正前1160
リュープリン/ENANTONE 604(488)1170←修正前1110
ニンラーロ 474(463)850←修正前840
アイクルシグ 354(270)660←修正前630
アルンブリグ 182(137)370←修正前400
ベクティビックス 135(136)270←修正前280
ゼジューラ 72(74)150
FRUZAQLA 231(-)>300%←修正前>100%
カボメティクス 44(42)90

【ニューロサイエンス】
VYVANSE/ELVANSE 2032(2263)3090←修正前2250
トリンテリックス 641(510)1230←修正前1240
ADDERALL XR  168(226)230←修正前190
インチュニブ 198(162)380←修正前360

【ワクチン】
QDENGA 199(19)>250%←修正前>200%

【その他】
アジルバ 58(237)100 
ホスレノール 39(81)80←修正前100

【国内主要製品売上(前年同期比) 億円】

ENTYVIO 86(15.0 %増) 
GATTEX/レベスティブ 46 (15.1 %増)
タケキャブ/VOCINTI  494(1.9%増)
タクザイロ 17(20.3 %増)
アドベイト 15(21.4 %減)
アディノベイト/ADYNOVI 71(0.7 %増)
リプレガル 43(3.5 %減)
ビプリブ 6(4.2 %減)
フィラジル 10(6.4 %減)
リブテンシティ 1(-)
ボンベンディ 4(22.7%増)
アジンマ 5(―)
ファイバ 2(43.8%減)
アドセトリス 59(12.4 %減)
リュープリン/ENANTONE 140(0.7 %減)
ニンラーロ 33(3.1 %減)
アルンブリグ 13(8.4 %増)
ベクティビックス 135(1.0 %減)
ゼジューラ 58(4.5 %減)
カボメティクス 44(4.1 %増)
VYVANSE/ELVANSE 14(82.3 %増)
トリンテリックス 63(20.1 %増)
インチュニブ 130(24.5 %増)
アジルバ 58(75.4%減)

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