帝人 同社と帝人ファーマ正社員に早期退職制度 募集人数150人 9月末退職 新中計の固定費削減を断行
公開日時 2024/06/18 04:52
帝人は、同社と帝人ファーマの正社員等を対象に早期退職者を募る「ネクストキャリア支援制度」を開始した。5月13日発表の「中期経営計画24-25」ではヘルスケア事業で固定費を25年度目標50億円が盛り込まれており、今回はその一環で実施する。勤続年数10年以上の正社員、シニアパートナー社員、嘱託社員(再雇用)を対象とし、募集人数は150人。募集期間は7月8日~7月26日で、終了日以前に募集人数を満たした場合はその時点で募集を打ち切ることもある。退職日は9月30日を原則とし、特別退職金が支給される。希望者には再就職支援サービスも付与される。
帝人は5月13日に「中期経営計画24-25」を発表。翌14日には人事・総務管掌メッセージが社員に発せられていた。13日の記者会見で帝人の内川哲茂代表取締役社長CEOは、「3年度の収益性改善の目標に掲げた固定費削減目標(2025年度50億円)の半分程度を前倒しで達成することができた。新中計では、組織・人員再編を実行して“希少疾患+在宅医療体制”への転換を前倒しで推進する」との目標を新たに設定したことを明らかにしている。
これを受けて5月末には、社員に対し、「中期経営計画実現に向けて不可欠な人財”、“組織”の最適化と活性化および社員一人ひとりの自律的なキャリア形成への支援を目的にネクストキャリア支援制度を実施する」旨の伝達が行われていた。
◎勤続10年以上の正社員、パートナー社員、嘱託社員(再雇用)が対象
今回の「ネクストキャリア支援制度」は、帝人と帝人ファーマに原籍があり、勤続10年以上の正社員、パートナー社員、嘱託社員(再雇用)を対象とする。なお、職種はMRに限らない。また、ヘルスケア/樹脂事業本部以外の所属社員は50歳以上、ヘルスケア/樹脂事業本部所属社員は55歳以上が対象となる。ただしヘルスケア事業の岩国、日野、岐阜地区在籍者と生産関連部署の所属社員は除外。さらに24年9月末までに65歳に達する社員も除かれる。
一方で適用除外の規定も設けられた。その一つには、「グループ会社、競合他社等への転職、または自ら当社と競合する業務を行うことが明白であり、かつ適用を認めることにより当社業務遂行上影響が生じると判断される時」との規定も明記され、適用除外となるとした。
◎部長以上が適用対象者と面談「今後の社内外のキャリアや将来設計を考える機会にする」
今回の「ネクストキャリア支援制度」について同社は、「社員一人ひとりの今後の社内外のキャリアや将来設計を考える機会にする」としており、実際の運用にあたっては原則部長以上が制度対象者全員と面談の機会を持つ。その際に、「(部長職から)会社が考える社員一人ひとりに対する期待を伝える」とした。面接は6月10日からすでに開始しており、7月8日から制度適用対象者の募集を開始する。適応の可否は会社が決定するとしており、「ネクストキャリア支援制度適用決定(もしくは否認)」通知書を8月5日以降に行う。退職日は9月30日を原則とし、希望者には再就職支援サービスの利用を開始できるようにする。