ミクス編集部が現役ＭＲを対象に「業務目標を達成する活動の目安」を調査したところ、9割のＭＲが担当医師にWeb講演会の視聴案内を行い、7割のＭＲが視聴後に医師を「必ずフォロー」していることが分かった。フォローまでの期間は8割のＭＲが「1週間以内」と回答した。調査は、コロナ禍を経て、MR自身がデジタルコンテンツをどのように活用し、自身の業務成果に結びつけているかを調べたもの。医師との面談はリアル回帰の兆候が見えたものの、ＭＲがリアル面談した医師数は前年調査結果に比べて0.4人増の4.37人に止まった。

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調査は、現役ＭＲとその上長（チームリーダー、営業係長・営業課長・営業所長）を対象に、ミクスOnlineを通じて調査（2024年１月26日～２月７日）を実施した。有効回答は115人。内訳はＭＲ66人、チームリーダー15人、営業係長・営業課長・営業所長34人だった。

MR活動の中で「業務に役立てているデジタルコンテンツ」を聞いたところ、「Web講演会のコンテンツ」が全体平均で95.7％と最も高かった。次いで、「学会ホームページ」が31.3％、「自社ホームページ内の医療関係者向けの掲載情報」が49.6％。「MR君など医師会員向けサイトのデジタルコンテンツ」は32.2％だった。

◎業務目標を達成するのに役立ったデジタルツール　「Web講演会のLIVE配信」が67.0％

次に、「自身のMR活動で“業務目標を達成する”のに役立ったデジタルツール」を聞いたところ、「Web講演会のLIVE配信」が67.0％となり、「自社ホームページにある医療関係者向けサイトのコンテンツ」の54.8％を上回った。Web講演会のLIVE配信がＭＲ活動で高く支持される背景は、医師との面談機会がコロナ以前に比べて少なくなる中で、医師に最新トピックスをタイムリーに提供できる手段として役立っているとの実感がMR側にあるようだ。一方で自社サイトにある医療関係者向けコンテンツについては、臨床上のエビデンスデータなど、当該薬剤の処方を検討する医師の納得感を得る情報が多数掲載されていえることが評価された。

◎面談で必ず“心掛けている”こと　「Web講演会の視聴後に必ずフォロー」が67.8％

一方で、「医師との面談に際し、必ず“心掛けている”こと」について聞いたところ、「Web講演会の視聴を依頼し、視聴後に必ずフォローする」との回答が67.8％と、7割のＭＲが医師との面談機会の確保に活用していることが分かった。また、医師へのアプローチ（面談手法）については、「医師の嗜好やニーズに応じ、リアルとオンラインを使い分ける」が65.7％、「医師とのオンライン面談は、内容によって上長（支店長、課長等）に同席をお願いする」が56.5％、「医師とのオンライン面談は、内容によって本社・学術担当者等に同席をお願いする」が54.8％となり、「医師とのオンライン面談は、必ず単独（ＭＲ１人）で行う」は0.9％に止まった。

さらに、MRが視聴依頼したデジタルコンテンツについて、医師の視聴後にフォローアップするまでの期間を聞いたところ、1週間以内との回答は8割を超えた。うち24時間以内にフォローしているＭＲは13.3％だった。

◎「Pull型」の活動にシフト　医師の疑問や疑念に「迅速」かつ「タイムリー」を意識

この結果からミクス編集部は、ＭＲがWeb講演会の視聴を依頼し、その後のフォロー活動に注力するなど、「Pull型」の活動にシフトしていることを確認した。一方で、医師との面談はリアル回帰の兆候が見られるものの、面談する医師の嗜好やニーズを把握し、リアルとオンラインを使い分けている状況も垣間見えた。さらに、「Pull型」活動においては、Web講演会を視聴した医師の疑問や疑念に「迅速」かつ「タイムリー」に回答することをMR自身が意識しており、その際の面談を最適化するため、医師の嗜好やニーズに応じて、本社学術部の担当者や上長を交えた「オンライン・グループ面談」を選択したいと考えていることも分かった。