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米・イーライリリー インスリン製剤の価格70%値下げ 保険加入者の自己負担月額上限35ドルを以下に

公開日時 2023/03/03 04:51
米・イーライリリーは3月1日、米国内のインスリン製剤の価格を70%引き下げると発表した。民間保険加入者の自己負担額の月額上限を35ドル以下に抑える。さらにジェネリックのインスリン製剤「リスプロ注」100単位/mlの定価をバイアルあたり 25 ドルに引き下げるほか、4月からランタスのバイオ後続品の価格も78%引きで提供する方針を明らかにした。

米・バイデン大統領は22年8月にインフレ抑制法案に署名し、その中でインスリンの患者自己負担に月額35ドルの支払い上限(薬価補助)を設定した。また、メディケア・パートDを利用する高齢者が薬局で購入する処方薬に支払う金額を年間2000ドルに上限設定した。これにより毎年約140万人の受益者が直接恩恵を受けることになる。ただ、こうした背景の一つに、米国では、インスリン製剤の価格高騰が患者や消費者団体から指摘されることが多く、実際に、糖尿病治療薬の中でもインスリン製剤の価格が2012年以降、5年間でほぼ2倍に跳ね上がっていたことも問題視されていた。

今回の価格改定は、こうした世論の流れに企業側が対応するものだ。同社は、「一部の糖尿病患者が手頃な価格のインスリンにアクセスできなくなっている米国の医療制度のギャップを埋めるための取り組みに基づくもの」と今回の対応を強調している。具体的には、患者の自己負担額を月額 35 ドル以下に制限するほか、ジェネリック薬のインスリン製剤「リスプロ注」の価格を70%値下げし、1バイアル当たり25ドルで提供する。また、ランタスのバイオ後続品の価格については、78%値下げするとした。

同社のDavid A. Ricks会長兼CEOは、「今回発表したインスリン製剤の積極的な値下げは、糖尿病を患うアメリカ人にとって真の違いをもたらすだろう。我々は追加の措置を講じ、すぐに自己負担額を制限していく」と強調した。
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