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アクセンチュア 7割の経営幹部が「メタバース」に注目 顧客体験を活かしたビジネス再創造への期待は大

公開日時 2022/07/06 04:51
アクセンチュアは7月5日、「Technology Vision 2022」と題する記者説明会をメタバース上で初開催した。説明会では、日本を含む35か国、23業界の上級役職者・役員向け調査結果が公開された。71%の経営幹部が、「メタバースは自社にポジティブなインパクトをもたらす」と回答。98%の経営幹部は、「長期戦略の立案において、経済、政治、社会よりもテクノロジーの進歩を信頼する」とし、仮想世界と現実世界をテクノロジーがつなぎ、仮想と現実を行き来することで、顧客体験を活かしたビジネスの再創造に対する期待感が示された。

◎メタバースが描く世界

「車いすに乗った海外旅行者が、夕食でレストランに行きたいと思っている様子を想像して欲しい」-。イヤホンを通じてAIアシスタントに自分の希望を伝えるだけで、近くのレストランがいくつか紹介される。そして、過去の好みに応じた料理の提案が受けられる。予約を行うと、ARメガネがレストランまでのルートを(現実の)歩道上に強調表示し、道案内までしてくれる。レストランの前に着いて、車いすを入口に向けると、ドアへの小さな階段が自動的にスロープに変化する。レストランのメニューはSNS上に公開されており、海外にいても自動翻訳された状態で注目することができる。この日のイベントでメタバースの世界の一端を垣間見た。

◎「デジタル革命の最後にして最大のフロンティアは物理世界」

ここで紹介したように、メタバースはVR(バーチャル・リアリティ)と異なり、仮想世界を創るデジタル機能が現実世界に“織り込まれ”、デジタルの世界(仮想空間)と同じエクスペリエンスを現実世界で実現できる。「デジタル革命の最後にして最大のフロンティアは物理世界」-。アクセンチュアの山根圭輔・エンジニアリングサービスグループ共同日本統括マネジング・ディレクターは、こう強調した。山根氏は、「テクノロジー企業が次に備えるべき技術革新とは?」との問いに、「次のフロンティアはメタバース」だと言い切る。その背景には、経営幹部の7割がメタバースへの期待を口にし、自社にポジティブなインパクトをもたらすと期待しているからだと分析する。ポジティブなインパクトとは業務プロセスの最適化に止まらず、個々の顧客に対するインパクトの部分が多分にあるというのだ。

◎企業と顧客の接点が広がる 企業は「責任あるメタバースを構築すべき」


山根氏は、技術革新による現実と仮想のつながりにより、「企業と顧客の接点が広がる」と強調する。さらに、顧客体験が偏在化し、企業の役割が拡張され、新たな消費体験とビジネスアプリケーションが広がると分析する。いわゆる、この「連続体」を取り囲むことにより企業にとっても再構築と変革をもたらすことができると見通す。山根氏の言うメタバース連続体には、①テクノロジーのつながり、②仮想と現実を行き交う、③顧客体系と企業の役割が広がる―がある。これに対し、基盤技術としての“Web3”サービスや、仮想と現実をデータ化する「デジタルツイン」、ホンモノ感をベースにした顧客と企業におけるストーリーの共有、そして不可能を可能にするコンピューティングなど、の要素が求められる。山根氏はまだ克服すべき技術的な課題が山積しているとしながらも、メタバースがもたらす連続体による「デジタルアセットが価値を持ち、個人の能力を拡張するメタバースの世界が迫っている」と見通した。一方で企業に対しては、「責任あるメタバースを構築すべき」と訴えた。
 
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