三和化学 先端巨大症・神経内分泌腫瘍治療薬候補paltusotineの国内独占開発・商業化権を取得
公開日時 2022/03/02 04:49
三和化学研究所は2月28日、先端巨大症と神経内分泌腫瘍治療薬候補のpaltusotineについて、国内で独占的に開発・商業化する権利を取得したと発表した。同日、米バイオベンチャーのCrinetics Pharmaceuticals,Inc. と戦略的パートナーシップを締結した。2022年中に国内でフェーズ1を開始する予定。
契約に基づき、三和化学は国内で独占的な開発・商業化する権利を取得し、国内での臨床試験、提携に関連する薬事申請の費用をすべて負担する。一方、Crinetics社は、日本以外の地域での開発・商業化に関するすべての権利を有する。現在、先端巨大症患者を対象に欧米で第3相臨床試験「PATHFNDR」の患者登録を進めている。
契約一時金として、Crinetics社は1300万米ドル(約15億円)のほか、特定の開発・薬事・商業目標の達成に応じたマイルストーンを受領する権利を有する。また、国内で製造販売承認取得した場合には、製品の純売上高に応じた段階的な階的なロイヤリティーを取得する権利を有する。
三和化学の磯野修作代表取締役社長は、「経口薬という新たな治療選択肢を提供できるよう尽力する」とコメントしている。
paltusotineは、非ペプチド性のソマトスタチン受容体2型(SST2)作動薬。先端巨大症の薬物治療では、長時間作用型ソマトスタチン製剤が広く用いられているが、長期間にわたる注射部位の疼痛や注射部位反応、高額な治療費が負担となっている。同剤は、1日1回経口投与可能に設計されており、これらの課題を克服することが期待されている。