日本イーライリリーは10月12日、「GoodDAY 関節リウマチ俳句コンテスト 2021」(協力:日本リウマチ友の会)の受賞作を発表した。最優秀賞には、滋賀県在住の黒木緑さんが詠んだ「天高し痛みなき日のスケジュール」が選ばれた。
コンテストは、言い出しにくい症状や日常生活の困りごとについて俳句で詠んでもらうというもので、今回で2回目の開催となる。
最優秀賞の黒木さんは、俳句について「痛みがない日、弱い日はうきうき。何をしようかとあれこれ計画します」という思いを込めたという。ワークショップに参加した東京大学医学部附属病院アレルギーリウマチ内科講師(医局長)で俳句結社天為同人の庄田宏文氏は、「痛みがない日のうれしさが伝わってくる句」と評価したうえで、「痛み去ね天高き日の天上へ」と返句した。
コンテストでは、患者とその家族を対象に、「伝えづらい、言いづらい、私の関節リウマチ症状」、「医療者に伝えたい私の望み・困っていること」をテーマに俳句を募集。6月の1か月間で、当事者ならではの疾患に対する様々な想いや、経験をリアルに綴った俳句とエピソードが全国各地から多数寄せられた。
8月には、コンテスト入賞者と関節リウマチ治療に従事する医療関係者を迎え、俳句を通じて協働的意思決定や診察時のコミュニケーションについて語り合う 「GoodDAY 関節リウマチ俳句ワークショップ」も開催した。俳句王子として人気の俳人、髙柳克弘氏による選考で、最優秀賞のほか、優秀賞(2 作品)、人気投票賞(2 作品)の5作品を決定した。
コンテストとワークショップは、50 代からの女性の暮らしを応援する生活情報サイトハルメクWEB(運営:株式会社ハルメク)と行い、受賞作品やワークショップで発表された医療関係者の俳句は同 WEBサイトで公開されている。
◎優秀賞は「花冷や専門用語分かる振り」
受賞作は以下の通り。
■最優秀賞(1作品):
「天高し痛みなき日のスケジュール」 黒木 緑 さん 70代 滋賀県
◇返句:痛み去ね天高き日の天上へ 庄田宏文先生
■優秀賞(1 作品):
「花冷や専門用語分かる振り」 瀬川 令子さん 50 代 三重県
◇返句:医師の一言理解できずに梅雨に入る 長谷川三枝子さん
■人気投票賞(2 作品):
「花冷えや下から拝むこんぴらさん」 のりのりさん 50 代 徳島県
◇返句:神様の見守る雪解けの参道 金子祐子先生
「動かれへんけどまあええわ扇風機」 稲畑 とりこさん 30 代 神奈川県
■入賞(6 作品):
「足と靴仲良く出来て春散歩」 高野 はるみさん 70 代 埼玉県
◇返句:「履けたんだ!」向日葵も咲き医者冥利 三崎健太先生
「こわばる手薬味大盛りそうめん」 ぴよぴよさん 50 代 東京都
「関節の曲りいとほし桜餅」 鹿沼 湖さん 60 代 栃木県
「夏至の駅孤軍奮闘昇り降り」 早起き猫さん 70 代 福島県
◇返句:走馬灯懸命に生き清々し 神﨑初美先生
「励まされ我も励まし小春風」 はつみそらさん 60 代 福岡県
「リウマチで腫れた母の手紅葉の手」 岡田 美幸さん 30 代 埼玉県