中医協総会 効能変化再算定の特定にゾレア、特例拡大再算定にキイトルーダとリクシアナが該当
公開日時 2020/01/23 04:52
厚生労働省は1月22日、中医協総会に市場拡大再算定品目及び効能変化再算定品目について報告した。2020年度改定で導入される効能変化再算定の特例に、ゾレア(ノバルティス ファーマ)が該当した。このほか、市場拡大再算定の特例として、がん免疫療法薬のキイトルーダ点滴静注(MSD)、抗凝固薬・リクシアナ(第一三共)が該当した。
◎ゾレア 市場規模100億円超で効能変更前の10倍以上に該当
ゾレアは19年12月に、季節性アレルギー性鼻炎(既存治療で効果不十分な重症又は最重症患者に限る)」の効能追加を取得。主たる効能効果が、「気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」から変化したとして、効能変化再算定の特例に該当した。効能変化再算定の特例は20年度改定で新たに導入されるルールで、市場規模が100億円を超え、効能変更前の10倍以上となった場合に対象となる。なお、ゾレアをめぐっては財務省が財政制度等審議会に、「今後、保険財政への影響が大きいと考えられる医薬品の類型」として、「単価が高額であり、患者数が非常に多い」薬剤として、ゾレアを例示していた。
◎リクシアナ 売上1000億円超に該当
特例拡大再算定に該当したリクシアナは、「1年間販売額が 1000 億円超で、基準年間販売額の 1.5 倍以上」に該当。最大で25%の薬価引き下げを受ける。
◎キイトルーダ 売上1500億円超に該当
キイトルーダは四半期再算定で、要件である「年間販売額が1500 億円を超え、基準年間販売額の 1.3 倍以上」に該当し、最大50%の引下げを受ける。同剤をめぐっては、2月1日に17.5%の引下げられる予定で、4月改定でさらなる引下げを受けることになる。
◎市場拡大再算定は14成分40品目に適用
市場拡大再算定には、14成分40品目が該当した。トランスサイレチン型心アミロイドーシス治療薬・ビンダケル(ファイザー) 、利尿薬のサムスカ(大塚製薬)、痛風治療薬のフェブリク(帝人ファーマ)、多発性骨髄腫治療薬のレブラミド(セルジーン)、抗がん剤・リムパーザ(アストラゼネカ)、乾癬・クローン病治療薬・ステラーラ(ヤンセンファーマ)、乳がん治療薬・パージェタ(中外製薬)、乳がん治療薬・フェソロデックス(アストラゼネカ)、抗アレルギー薬・デュピクセント(サノフィ)、血液製剤・ヘムライブラ(中外製薬)、関節リウマチ治療薬・アクテムラ(中外製薬)、ドライアイ治療薬・ジクアス(参天製薬)が該当。痛風治療薬のフェブリク(帝人ファーマ)が市場拡大再算定ルールに該当したことで、ウリアデック(三和化学研究所)、トピロリック(富士薬品)は、類似品として薬価が引き下げられる。ケブザラ(サノフィ)はアクテムラが該当したことで、類似品として薬価引下げとなる。