アルナイラム 日本初のRNAi治療薬オンパットロ発売 同社初の製品に
公開日時 2019/09/10 03:51
Alnylam Japan(アルナイラム)は9月9日、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー治療薬・オンパットロ点滴静注2mg/mL(一般名:パチシランナトリウム)を発売した。同剤は、国内における初のRNA 干渉(RNAi)治療薬。同社が国内で上市・販売する最初の製品となる。薬価は98万6097円。流通業務はスズケンが受託し、グループ各社で工場出荷後から医療機関への販売・納品までを担う。
トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーは、トランスサイレチンというタンパク質(TTRタンパク質)を作るTTR遺伝子の変異が原因で生じる進行性の難治性疾患。TTR遺伝子変異により、TTRタンパク質由来のアミロイド線維が形成され、末梢神経や心臓など全身の臓器・組織に蓄積し、治療困難な神経障害や心機能障害、自律神経障害等の多様な症状が現れる。
同剤は、TTRを標的とする RNAi 治療薬。標的となるTTRメッセンジャーRNA を分解し、TTRタンパク質が作られる前に、その産生を阻害するように設計されているという新たな作用機序をもつ。肝臓でのTTRの産生を阻害し、体内組織でのTTRの蓄積を減少させることで、同疾患の症状の改善や進行を停止または遅延させる。
同社は、アメリカの製薬メーカーAlnylamPharmaceuticals社の日本法人。核酸医薬の一つであるRNAi治療薬を提供するため、2018年7月に設立した。