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がん研有明・原乳腺内科医長 患者の副作用に対する恐怖軽減が重要 治療継続支援で

公開日時 2019/07/18 03:51
がん研究会有明病院の原文堅・乳腺内科医長は7月17日、日本イーライリリーのメディアセミナーで転移・再発乳がん治療をテーマに講演し、治療を継続するため、患者の副作用に対する恐怖を軽減する説明の重要性を指摘した。転移・再発においても新薬により生存期間が長くなる一方で、副作用をコントロールしながら治療を継続する必要性が高まった。しかし、副作用を恐れるあまり、治療拒否や断念に至るケースもある。原氏は、治療を続けるため、起きうる副作用や対処法を患者に伝え、理解を得る取り組みが求められるとした。

原氏によると、患者が恐れる副作用には吐き気、脱毛、しびれなど、生活や外見に影響するものが上位に上る。副作用に対処する薬の開発が進み、副作用をかなりコントロールできるようになってきているが、「その情報を患者さんが十分に把握するに至っていない。そのために本来、抗がん剤治療をすれば治る方が、拒絶されて治らないという不幸なケースを何度も目にしてきた」と説明した。

発現する副作用は薬剤、個人差があるが、患者に対しては「副作用が起きうることを予想し、対処できる薬を事前に説明しておく必要がある」と述べ、副作用を過度に恐れないようにする事前の説明が重要と指摘した。医師に加え、看護師、薬剤師と重ねて伝え、粘り強く患者の理解を得る姿勢が医療側には求められると、本誌に話した。

パネリストとして同席した患者の米村好美さんは、本誌に「自分の(体調の)ペースが分かると活動しやすくなる」と話し、どのような副作用が起こり得るのか予め知ることを対処法の1つにあげた。同じく同席したがん研有明の鈴木美智子・副看護師長は、仕事や子育てへの影響など患者ごとに副作用を恐れる事情、背景、理由があると指摘。「一人ひとりとお話することに尽きる。我々が面談をして一緒に考えるようにしている」と、本誌に取り組みを説明した。

◎治療費の経済的支援の重要性増す もっと支援策の周知を

また、原氏は、新薬により生存期間が長くなる一方で、薬剤の高額化などで治療費負担の増加が患者の治療継続上の障害になっていることを指摘した。治療費を負担できず標準治療を諦めるケースも実際あるといい「国の課題でもあるが、我々診察室の中で解決しなければならない課題でもある」と説明。高額療養費制度や傷病手当、障害年金、雇用保険などの経済支援策の情報提供が十分に行われていない可能性をあげ「我々や、社会全体として周知していく必要があると思う」と述べた。
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