中外・FoundationOne がん種横断治療薬ロズリートレクのコンパニオン診断の承認取得
公開日時 2019/06/28 03:50
中外製薬は6月27日、次世代シークエンサーを用いた網羅的がん関連遺伝子解析システム「FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル」について、ROS1/TRK阻害薬・ロズリートレク(一般名:エヌトレクチニブ)のコンパニオン診断機能を追加する一部変更承認を取得したと発表した。承認は26日付。ロズリートレクは、臓器別ではなく個々の遺伝子変異に応じて治療できる。このため同プログラムでは、国内で初めて、がん種を問わない次世代シークエンサーによるコンパニオン診断が可能となる。
コンパニオン診断機能が追加されるロズリートレクは、6月18日に製造販売承認を取得。同剤の効果・効能は、成人及び小児のNTRK融合遺伝子陽性の進行・再発固形がんとなっており、プログラムでは、NTRK融合遺伝子を検出することで、同剤の適応判定補助を行う。
NTRK融合遺伝子をめぐっては、発現が非常に稀である一方、成人や小児の様々な固形がんや肉腫で確認されている。このため、同社執行役員の渡邉稔ファウンデーションメディシンユニット長は、「がん遺伝子パネル検査による包括的がんゲノムプロファイリングが、最も貢献できる領域」と意義を強調している。
FoundationOne CDxがんゲノムプロファイルは、固形がんに関連する324の関連遺伝子の変異状況を一括して把握できるだけでなく、抗悪性腫瘍剤のコンパニオン診断の役割も果たすのが特徴。2つの機能を併せ持った国内初のがん遺伝子パネル検査として、18年12月に薬事承認を取得し、6月3日に発売していた。承認内容は以下の通り。
遺伝子変異等
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がん種
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関連する医薬品
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EGFRエクソン19欠失変異及び
エクソン21 L858R変異
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非小細胞
肺がん
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アファチニブマレイン酸塩、エルロチニブ塩酸塩、
ゲフィチニブ、オシメルチニブメシル酸塩
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EGFRエクソン20 T790M変異
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オシメルチニブメシル酸塩
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ALK融合遺伝子
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アレクチニブ塩酸塩、クリゾチニブ、セリチニブ
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BRAF V600E及びV600K変異
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悪性
黒色腫
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ダブラフェニブメシル酸塩、
トラメチニブ ジメチルスルホキシド付加物、ベムラフェニブ
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ERBB2コピー数異常
(HER2遺伝子増幅陽性)
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乳がん
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トラスツズマブ(遺伝子組換え)
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KRAS/NRAS野生型
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直腸・
結腸がん
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セツキシマブ(遺伝子組換え)、パニツムマブ(遺伝子組換え)
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NTRK1/2/3融合遺伝子
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固形がん
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エヌトレクチニブ
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※太字は今回の承認内容。